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「声に特化した」ソニーのリモコン付きワイヤレススピーカー、特許出願中の構造と音声処理

近年の家電デザインは、無駄を削ぎ落とし、よりスタイリッシュに進化しています。そのモダンさが故、電源を落とすと、一見何をするためのものか分からないものもーー。そんな中、ソニーが発売する「お手元テレビスピーカー」(SRS-LSR200)は、用途が一目瞭然! テレビリモコンとスピーカーを一体化させる発想は、「人のやらないことをやる」ユニークなソニーらしさが感じられますが、実はとても実用的。人の声を聴きやすくする機能を搭載したスピーカーは、超高齢社会である日本の顧客ニーズに応えた製品でもあります。発売日は2020年2月22日(土)。

人の声の成分を抽出して際立たせる

テレビの音量を家族に合わせると聴きとりづらい……。例えばそんな時、役に立つのが「お手元スピーカー」です。製品を使用すると、音声はテレビ本体とワイヤレススピーカーの2つから出力されます。高齢で音声が聴きとりにくい場合や、キッチンなど離れた場所で家事をしている場合など、テレビ本体のボリュームを上げすぎることなく音を楽しめます。

製品の一番の特徴は、左右にあるステレオスピーカーに加え、中央に「”声”用スピーカー」を搭載していることです。主に声の周波数帯だけを出力し、左右の通常のスピーカーとはボックスを分けています。それにより、左右のスピーカーからの影響が抑えられ、従来機種と比べ音の歪みが減り、すっきりとしたクリアな声が届けられます。また、音声の低域を左右のスピーカーと、スピーカーユニットから電磁気回路を取り除いた「パッシブラジエーター」から出力することで、人の声の低域をしっかりと出すことができ、声の質感がリアルに伝わります。この声用スピーカーの構造と配置および音声処理に関して、ソニーは特許出願中と公表しています(2020年2月現在)。リモコンのチャンネルボタン横にある「はっきり声」のボタンを押すと、以下のモードに簡単に切り替えができます。

テレビ本体との音ズレ、違和感なく

スピーカーは斜度約10度で、上向きに配置されているため、テーブルやカウンターに置いた時にも聴きやすく設計されています。また、妨害や干渉に強い2.4GHz無線伝送方式を採用しているため、送信機からスピーカーへの音声遅延を抑え、テレビ本体のスピーカーと同時に音を出しても音ズレの違和感が少なく使用できます。テレビの音声が途切れてから約15分経つとスピーカーの電源も自動的にオフになるため、電源の落とし忘れも安心です。対応テレビメーカーは、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、日立、三菱、LG、FUNAI、Hisense。

加齢によって音声が聴きとりにくくなることは、誰にでも起こりえることです。両親や祖父母ら身近な人のテレビ音量の大きさにどきりとした経験がある人は、プレゼントや購入を勧めてみてはいかがでしょうか。