メルセデス・ベンツのスプリンターやVクラスは、世界的に流行する「バンライフ」のシンボルとして有名です。そんな動きに乗ってか、昨年、メルセデスは、ゼロ・エミッションのアウトドアライフの意味を再定義する純電動バン「EQV」をヨーロッパでデビューさせました。そして今回、メルセデスはポップアップルーフ仕様のEQVを発表しました。
メルセデスは、モーターホーム市場がメルセデスにとって戦略的に重要な市場と認識し、またモーターホーム産業でも電動化が進むことは明らかと語っています。
初のポップアップルーフ仕様の電動バンだとメルセデスが主張するEQVキャンパーバンは、標準的なEQV(レギュラーまたはエクステンドホイールベース)をベースに、2種類のバッテリーバリエーションが用意されています。
EQV 300は、90kWhのバッテリーパックを搭載し、WLTP評価で約362kmの航続距離を実現しています。一方、EQV 250はより小型の60kWhバッテリーで、航続距離は約127kmです。電気システムはDC充電に対応し、約45分で10%から80%まで充電することができます。
ポップアップルーフ仕様のEQVは、スイスの車体架装メーカー「ソルティモ・ウォルター・リューグ(Sortimo Walter Rüegg PLC)」と共同で開発され、EQVのキャビンスペースを最大限に活用することを意識してデザインされています。引き出し式キッチンユニット、取り外し可能な2口ガスコンロ、冷蔵庫、シンクを搭載しています。また、調理器具やカトラリーを収納する専用の引き出しなども備えています。
キッチンユニットの上にはルーフベッドを備えたポップアップルーフがあり、メルセデスによれば、EQVの車幅いっぱいのベッドを簡単に設置することができるそうです。もちろん、すべてのモジュラーパーツには軽量化構造が採用され、軽量化を図っています。
リアプライバシーウィンドウ、豪華な室内照明、豊富なUSBポート、回転式フロントシートなど、標準装備し、快適なバンライフをサポート。さらに、オプションで3人掛けベンチシートや、スターターや充電に使用できる合計400Wの発電量を持つソーラーパネルが2枚の設置も可能です。
価格と販売開始時期は未定ですが、ポップアップルーフ仕様のEQVは高価格になることが予想されます。EQVはドイツでは73,000ユーロから(約956万円)であることを考えると、ポップアップルーフ仕様のEQVは90,000ドル〜100,000ドル(約1,045〜1,160万円)程度と見込まれます。