SlashGear Japan

DJI の最新機ドローンAir 2SはMavic Air 2と何が違うか

DJIはMavic Air 2の後継機 “Air 2S “を発表しました。名称からMavicの名が消えていますが、このクアッドコプターは先代の機能を一切失っていません。むしろ、Mavic Air 2の全体的な性能をベースにしています。特筆すべきは、写真やビデオの撮影能力が向上している点にあると、米国版SlashGearのBharat Bhushan氏は語ります。Mavic Air 2との比較を通じてAir 2Sの特徴を見てみましょう。

DJI Air 2Sの価格

DJI陣営の新しいドローンは、Mavic Air 2が成し遂げたものをさらに向上させようとしています。もちろん、コストといくつかの課題は存在します。DJI Air 2Sの価格は119,900円で、追加バッテリーや製品交換サービスが付属する「DJI Air 2S Worry-Free Fly More コンボ」を選ぶのであれば165,000円です。一方、Mavic Air 2は単体で105,600円です。全体的な印象で言えば、Air 2Sは完成度が高く、価格差を裏付けるだけの価値があります。14,300円を上乗せすれば、より優れた性能と機能を手に入れられます。

デザインとハードウェア

DJI Air 2Sは昨年のMavic Air 2とほとんど同じデザインです。両者の違いは、Air 2Sドローンの上部に追加された近接センサーにあります。このセンサーによって飛行中の障害物の回避能力が向上し、特に高速飛行中にドローンがやや下向きになったときに効果を発揮します。Air 2Sに追加されたこのセンサーは、従来のモデルとは異なり、あたかもドローンの前面に目が追加されたかのような錯覚をもたらします

この他にも、2つのクアッドコプターは同じハードウェアを搭載しており、コンパクトに折りたためるデザインは、すでにドローン初心者にも人気があります。飛行中のアドバンテージとして、Air 2SはMavic Air 2よりも25グラムたけ重くなっています。これにより、風が強い状況でも安定性が向上しています。

静止画撮影

新型ドローンAir 2Sの最大の変更点は、Mavic Air 2と比較してカメラセンサーが改良された点にあります。新たに公開されたドローンでは、センサーの大きさがAir 2の2倍になり、わずか0.5インチになりました。Mavic 2 Proに搭載されているのと同じ1インチのセンサーを搭載しています。

画像解像度はMavic Air 2の48MPからAir 2Sの20MPへと低下しています。その一方で、必要に応じて48MP画像のピクセルビニングが可能なクワッドベイヤー構造のセンサーにより、同等の静止画撮影機能を備えています。

プロレベルのフォトグラファーは、純粋な解像度よりも、より大きなセンサーを選ぶ傾向にあります。DJI Air 2Sは、カメラに関してはプレミアムドローンであるMavic 2 Proと同等の性能を、より小型軽量なパッケージで実現していると言っても過言ではありません。

動画撮影

センサーが大きくなったことで、動画の画質も明らかに向上しています。Mavic Air 2の4Kに比べ、Air 2Sは5.4Kに対応しているのです。注目されるべきは、動画のビットレートが先代の120Mbpsに対し、Air 2Sは150Mbpsになっている点です。これはプロレベルの撮影者にとってはもう一つのメリットになるでしょう。撮影した映像は、画質やディテールがよりシャープになります。また、映像を編集する際にも、画質の劣化が少なくて済みます。

注意点としては、Air 2Sの4K 60fpsモードでは、若干のトリミングが発生する点です。これは、4K 60fpsモードでは1インチのフルセンサーを使用していないため、肉眼では約1.3倍のクロップとなります。焦点距離が22mmと広くなったことで撮影範囲が広がりますが、この点は好みが分かれるかもしれません。とはいえ回避策はあります。デジタルズームで補正することもできますし、最終的な編集で余分なスペースを調整できるでしょう。

バッテリー寿命

バッテリー寿命は今後に期待です。ドローンが小さいということは、飛行中の総時間が短くなることを意味しますが、Air 2Sはこの点で少しだけ課題がある印象です。Air 2Sの飛行時間は31分である一方、Mavic Air 2は34分です。若干の妥協点ではありますが、ドローンを飛ばす人にとっては、時間が25分を越え始めると、飛行へのアプローチが制限されます。

もちろん、公式の飛行時間は、天候や風向きによって変化します。全体的には、安全な飛行時間が30分程度しかないとを知っておくことは、ドローン操縦者の心理にわずかな影響を与えるでしょう。

飛行性能

性能面では、Air 2Sはいくつかの注目アップグレードを行っています。DJI O3テクノロジーを採用し、4本のアンテナで12km(FCC)、8km(CE)の通信距離を実現しています。一方、Mavic Air 2はOcuSync 2.0を採用し、2本のアンテナで通信距離は10km(FCC)または6km(CE)となっています。

Air 2Sの上昇/下降速度は、前モデルのSモードでの上昇速度が4m/s、下降速度が5m/sだったのに対し、Sモードでは6m/sとなり、わずかに向上しています。Mavic Air 2はマイナス10度から40度までの温度範囲で動作するため、耐寒性の面でも優れています。その点、Air 2Sは、0~40℃の範囲で動作するよう設計されていますので、ややエントリー向けかもしれません。