北海道滝川市では、住宅地の近くを徘徊する迷惑なヒグマに対処すべく、凶悪なビジュアルのオオカミ型ロボットを導入しています。市の担当者によると、このロボットが今年9月に市内に設置されてから、ヒグマの目撃情報は報告されていないとのこと。
日本国内でのクマの目撃情報は、西日本と北日本の農村部を中心に増加しています。2020年には約80件(9月時点の速報値)の人身被害が発生しており、そのうち2件は命にかかわる被害を受けています。クマの目撃情報や被害が増加していることから、政府は先月、対策会議を開催。滝川市は、4本の金属製の足、毛むくじゃらの体、金のたてがみ、光る赤い目を特徴とする「モンスターウルフ」を配備しました。
このロボットには生物の動きを感知する赤外線センサーが付いており、クマなどが接近するとオオカミの頭を動かし、赤い目を点滅させ、遠吠えなどの音を出します。クマが慣れないよう、人の声や銃声、機械音など約60種類の音を用意。製作したのは北海道奈井江町の機械部品製造会社、太田精器(太田裕治社長)で、現在全国62か所に設置されているとのこと。
オオカミは100年以上前に絶滅するまで、日本の中・北の島々の生態系の一部でした。クマは11月下旬に冬眠に入る前に餌を探すため、より活発で危険な行動をとるようになります。今年は野生のドングリや木の実の入手可能性が減少したため、食べ物を求めて住宅地の近くまで下りてくるようになったようです。
過去、多くのオオカミが生息していた米国でも、最近では個体数の減少が問題視されています。特に、オオカミがいない地域では、自然の捕食者がいないためエルク(ヘラジカ)が住宅地に侵入し、農作物の被害だけでなく、時には人を襲うこともあります。