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どうなる?GoogleによるFitbitの買収

企業買収のニュースを聞くと、契約書にサインして全てが終わったように感じるかもしれません。しかし、現実ははるかに複雑で、特に異なる法律や概念を持つ別の大陸の企業を買収する場合はなおさらです。これはGoogleが2019年にFitbitの買収を発表した際に直面した状況であり、2020年までにEUの承認が得られると仮定した上での買収でしたが、まだ合意には至っていません。

ユーザーデータを広告に使用しないとの取り決めも

両社が以前からうわさされていた発表を、2019年11月に行ったという事実は、少なくとも欧州の規制当局にとって、この問題がいかに大きなものであるかを示しています。質問や懸念は、ウェアラブルデバイスメーカーの単純な買収ではなく、GoogleがFitbitのデータとウェアラブル市場で何をしようとしているのかを中心に展開しています。

Googleの名前がプライバシー関連の問題特に広告に注目されていることを考えると、最初の問題は単純明快です。GoogleはFitbitユーザーのデータをGoogleの広告に使用しないと約束しましたが、この譲歩は十分でないとして欧州委員会に却下されました。

年内に承認可否を決定の予定

また、Googleがスマートウォッチ市場でFitbitの競合他社が使用するWear OSも製造していることを考えると、GoogleがFitbitを所有することが不当な優位性につながるのではないかという懸念もあります。Googleは現在、Wear OSパートナーでもある他社を引き続きサポートし、Fitbitのデバイスをライバルサービスに開放し続けることも約束しています。

欧州委員会は、この買収を承認するかどうかを2020年12月23日に決定する予定です。現在、ウェアラブル市場の3%しか占めていないFitbitにとって、同社の事業とブランドを復活させるには時間が足りません。Googleにとっては、物議を醸す買収が行われるのは日常のことでしょう。