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ボーイング777X、初フライトが無事成功

ボーイングが開発中の旅客機「777X」型機が、1/25に行われた初のテストフライトで無事成功を収めました。当初は1週間早く実施することを目指していましたが、強風などの悪天候の影響で延期されていました。

3時間51分にわたる初フライト

777Xはワシントン州エバレットのペイン・フィールド空港から離陸し、3時間51分のフライト後、シアトルのキング郡国際空港(通称、ボーイング・フィールド)に着陸しました。

初フライトを担当したのは、777/777X型機のチーフパイロットであるバン・チェイニー機長と、クレイグ・ボンベン最高操縦責任者です。機体の構造やシステムを検証するために一連のテストを行い、シアトルで待機していた調査チームに検証データをリアルタイムに送りました。

もちろん、このフライトだけでは検証は終わりません。ボーイングは計4機の777X型機のテストフライトを行う予定です。

折りたためる翼、低燃費なエンジンが特徴的な777X

ボーイング777Xで最も特徴的な部分は、炭素繊維複合材を使用した折りたためる翼です。これによって777Xは狭い空港でも駐機することができます。また、GE・アビエーション社のGE9Xエンジンを搭載しており、ライバル機(恐らく、エアバス)と比べて燃料消費効率が10%向上し、排出ガスが10%減少する見込み。ボーイングによると、最終的に777Xの運用コストは10%も削減できるようです。

また、777X型機には777-8と777-9の2種類のモデルがあります。777-8は全長229フィート(約70メートル)で最大乗客数は384人、航続距離は8,730海里(約1,6000キロ)です。

姉妹機である777-9はより長い全長で251フィート(約76メートル)、最大乗客数は426人、航続距離は7,285海里(約1,3500キロ)で商用機としては世界最大と言われています。

どちらも先進的な客室のデザインをしており、前モデルよりも広くて風通しがよく、上部の収納棚も大きくなっています。さらに、窓が大きくなり騒音も軽減されているので、快適な旅を乗客に提供できるでしょう。

ボーイングはYouTube公式チャンネルに777Xの性能を紹介する動画をアップしています。

折りたためる翼の様子も確認できる

777X型機はすでに340件の発注が決定しており、2021年より出荷される予定です。

737MAX型機の運行停止命令からの挽回なるか、ボーイング

ボーイングは一昨年から、「373MAX」型機が2回の墜落事故を起こしており、運行停止命令が出ています。今回の777Xの初フライトが無事成功したことは、ボーイングがこれから巻き返すきっかけになったのではないでしょうか。もちろん、運用コストの削減を目指すだけでなく、安全面に最大限配慮して開発や検証を続けて欲しいのは言わずもがなです。