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米国のフードデリバリーサービスDoorDashが「バーチャルコンビニ」に進出

日本でUber Eatsが急速に広まり、フードデリバリーはお茶の間でも珍しくなくなりました。そんなフードデリバリーを展開する米国のDoorDashがコンビニ商品の配送まで手掛ける構想が動き始めています。DashMartです。米国の一部の地域でサービスが開始されており、今後の動きに注目が集まります。

DoorDashは、個人配送サービス、最近で言うフードデリバリーで知られています。このサービスは、ギグエコノミーの配送者が、顧客が注文したアイテムを店舗から受け取り、アプリ利用者に配送する仕組みです。2020年に入って同社は、食料品店に加えてコンビニエンスストアの範囲までサービスを拡大。対応商品の種類を一気に広げました。今回の新型コロナウイルスの流行によりフードデリバリーが市民権を得ましたから、それも追い風として作用するでしょう。

DashMartとは何か

そもそもDashMartとはどのようなサービスなのでしょう。同社はブログで、まるで「バーチャルコンビニエンスストア」と紹介しています。実店舗のコンビニを運営するわけではありません。飲み物、スナック、キャンディー、アイスクリーム、日焼け止めローション、ペットフード、ドラッグストアで手に入る医薬品などの非食料品が扱われます。今までは料理しか注文できなかった同サービスで、コンビニで陳列される商品がそのまま注文できるイメージです。日本のUber Eatsでお菓子が注文できるものと考えると分かりやすいかもしれません。配送員が自宅まで届けてくれます。

DashMartを展開しているのは、シカゴ、シンシナティ、コロンバス、ダラス、ミネアポリス、フェニックス、レッドウッドシティ、ソルトレイクシティなどです。今後は、ボルチモア、コンコード、カリフォルニア、サクラメント、およびサンディエゴへの拡張が計画されており、その計画は2020年後半に実行に移される予定です。現在は米国一部地域での限定サービスなので、日本での展開は当分先でしょう。日本においては既存のプラットフォーマーの動きが気になるところです。

DashMartは小売業を変革するか

DashMartは自社のサービスを新たなチャネルとして定義しています。世界的なパンデミックの状況下で、ローカルビジネスが消費者に商品を購入してもらうには大きな困難が伴うようになりました。そもそも外出をしないのです。ゆえに2020年前半とECサイト・プラットフォームが大躍進を遂げるに至り、小売や飲食店のリアル店舗が大変な状況に陥っています。この中でも飲食業界での新たなカテゴリとして、広く認知を獲得したのがDoorDashやUber Eatsといったフードデリバリーサービスです。今回のDoorDashのリリースによると、いよいよ日用品やその他の雑貨までもがデリバリーの対象へと広がろうとしており、流通・小売の新しい波が生まれようとしています。現在、その構想は日用品や食品に限られていますが、個人ブランドなどの商品もデリバリー対象に広がっていくとされています。どれほどの好影響を既存の小売業にもたらされるのか、注目が集まります。