Googleは、複数人で同時にデジタルピアノを弾くことができる「Shared Piano」というサービスをChrome experiments に公開しました。PCのキーボードや電子ピアノで奏でたメロディーがブラウザ上で記録され、最大10人で作曲・演奏を楽しめます。一般のWebエンジニアにとって少しだけチェックしてみたくなるサービスである一方、音楽を楽しみたい、あるいは遠隔地でもレッスンを提供したいというユーザーにちょっとしたインスピレーションを与えるサービスになっています。動画と一緒にご紹介します。
Shared Pianoの使い方
まずはChrome experiments の「Shared Piano」にアクセスしてみましょう。(Chrome Experiments とは何か?といった解説は記事後半でお届けします。)アクセスすると、画面の中ではピアノの鍵盤が表示されているので、任意の鍵盤をクリックしてみると音が出ます。
入力した音符は記録され、独自のURL(画像左下)として生成されますので、友人や知人に共有してみましょう。友人のPC画面の中でも先ほどと同様の音色が楽しめるようになっており、さらに友人の方でも音符を加えられるようになっています。
このサービスがあれば遠隔地でもコラボレーションが可能ですし、ちょっとしたピアノのレッスンでも使えそうです。以下の動画では実際に利用したシーンが収められており、出演者はそれぞれ別々の場所から参加しています。
Shared Pianoの活用方法
実際に触ってみたところ、PCでライトに使い始めるのも良さそうですが、電子ピアノと接続して使っても良さそうです。PCのキーボードでも音をコマンドできるものの、あまり広い範囲の音を打ち込むのは難しいからです。なので本格的に楽しみたいのであれば、動画のように電子ピアノを利用して、何オクターブもの自由を得て音符を落とし込んでいくと良いでしょう。レッスンを目的としたり、クリエイティブなシーンでは特におすすめです。
Shard Pianoをもう少し詳細に見てみましょう。Shared Pianoではいくつかの設定や、ドラムや弦楽器を含むさまざまな楽器を選択するオプションが用意されています。
同じ共有ピアノルームには最大10人まで参加でき、好きなときに新しいルームを作成できます。どのような楽曲を作ったか確認したい時にはページをスクロールするだけです。ルームに参加している人に教えてあげれば、簡単にスコアを確認することができます。もちろん、設定した音符を再生するための再生ボタンもあります。
今回ご紹介したサービスは、Googleが出している最新のChrome Experiments の1つですが、音楽を絡めたものはいくつか先行事例があります。数年前、Googleは誰でもブラウザでアクセスして楽曲作成が楽しめる「Music Lab Song Maker」を発表しました。キーボードで触るだけで直感的にメロディを作りあげられるようになっています。Chrome Experiments のサイトに掲載されている他のプロジェクトには、「Tendrils」と呼ばれる楽曲の可視化サービスや、「Freddiemeter」と呼ばれるカラオケサービス、「Flappy Windows」などがあります。
Chrome Experiments とは何か
このChrome Experiments では様々な「実験的プロジェクト」が公開されていて、サイトを眺めているだけでも面白いです。元々はWebエンジニア向けのショーケースとして始められているのですが、恐らくはChromeブラウザの普及やPRを目的に動いているプロジェクトのようです。非開発者であれば「ブラウザでこのようなことができるのか」といった純粋な驚きに遭遇するでしょうし、開発者であれば「このようなフレームワークを使っているのか」といった具合に、様々なアイデアを刺激できるようになっています。実際、この音楽系の「ネタ」だけが公開されているわけではありません。
- 流体シミュレーション
- 渋谷交差点の群衆シミュレーション
- NASAアポロ計画の画像から生成された音楽
このように思わず興味をそそられる取り組みが1,000以上も公開されています。ぜひチェックしてくださいね。