Microsoftの元最高経営責任者Steve Ballmer(スティーブ・バルマー)氏がLinuxを「癌」と呼んだことは、すでに過去のことになりつつあるようです。最近ではMicrosoftは手の裏を返した様に、Linuxとオープンソースを愛していると宣言しています。GitHubの買収から Windows Subsystem for Linux(WSL)に至るまで、マイクロソフトは Linuxとオープンソース開発者を呼び込む努力を続け、次の手として、Linux GUIをWindows 10上で使用可能にする計画が明らかにされました。
2016年にMicrosoftがLinux開発者、特にWeb開発者やシステム管理者がWindowsから離れることなく、Linux中心の仕事ができるようにするWSLを発表したことは驚愕でした。当初の目的と対象者を考えると、この実装が非グラフィカルなコマンドラインLinuxプログラムのみをサポートするように設計されていたことは妥当と言えるでしょう。Linuxの開発者たちは、Linux GUIの代わりに好みのGUIアプリや完全なグラフィカル Linuxデスクトップを実行するためのサードパーティ製を使っていました。
しかし、この様な回避策に頼る必要はもうなくなるのです。Microsoftは、オンラインカンファレンス「BUILD 2020」にて、WSLがサードパーティ製のツールやソフトウェアを使用せずに、LinuxのGUIアプリケーションを直接実行できるようになると発表したのです。これは、機械学習やAI開発を含むさまざまなシナリオのために最新のグラフィックスハードウェアを活用したWSLの改良のおかげでしょう。
それにしても、Window上でLinux GUIが使える日が来るとは、時代は大きく変わったものです。