NASAが地下水マップを全世界へ拡大-遠隔地の干ばつが明らかに

NASAは、米ネブラスカ大学リンカーン校の国立干ばつ緩和センターと協力して、世界中の地下水の現在と、近い将来の状態を示すマップを公開しました。これは、マップがアメリカのみを対象としたものから、世界全体へと範囲を拡大し、干ばつやその他の水問題を発見しにくい遠隔地や、農村地域に光を当てることになります。

一目でわかる世界の水問題

この地下水マップはNASAとドイツ地球科学研究センターのGRACE-FO(Gravity Recovery and Climate Experiment Follow On)衛星によって可能になりました。これらの衛星から送られて来たデータは、2017年に終了したGRACE衛星ミッションで使用され、他のデータやコンピュータモデルと組み合わせることによって、世界中のエネルギーや水の循環のシミュレーションを表示しています。

その結果、地表土壌水分、根域水分、浅層地下水の3層の土壌水分データを作成する事に成功しました。これにより、専門家は世界中の地下水の状態を可視化し、干ばつの影響を受けやすい地域を特定することができます。これは、地下水をモニタリングする独自のインフラを持たない国にとって非常に重要なデータです。

干ばつ指標は毎週更新

気候変動と地球温暖化に伴い、干ばつがますます問題になっています。現在の水の状態を見て、それがどのように展開するかを予測することで、世界各国の政府は、これらの変化がどのように影響を及ぼすか考慮し、目の前の問題にうまく対処できるようになることが期待されます。

このプロジェクトの地下水マップは、ネブラスカ大学のネットワークであるNASA Graceのウェブサイトにアクセスすれば、誰でもダウンロードすることができます。NASAのゴダード宇宙飛行センター (Goddard Space Flight Center) の水文学者でプロジェクトリーダーのMatt Rodell氏は「地下水のマップは、地表の様子をゆっくりと滑らかに表現したものです。これらは、数か月または数年の気象変動を表しています。」と説明しています。

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