NASAが宇宙ステーション上での植物実験の様子を公開

NASAは、国際宇宙ステーションの小さな「菜園」を公開しました。国際宇宙ステーションの一部では、宇宙飛行士が消費するための食料が生産されており、2021年1月に行われた2つの重要な実験を含む、複数のプラント実験が行われています。宇宙ステーションで食料を生産できるようになればどうなるか。もちろん人類にとって重要な意味を持つため大きな注目を集めているのです。

宇宙ステーションで植物の実験を繰り返すホプキンス氏

NASAの宇宙飛行士を乗せたSpaceXCrew-1ミッションは、2020年11月に国際宇宙ステーションに到着しました。そこにはマイク・ホプキンスも搭乗していました。NASAによると、ホプキンスは宇宙で育った作物を収穫し、さらに宇宙ステーションで植物実験を行うようになったそうです。

2021年1月4日、NASAは、ホプキンスが植物を含む2つの実験を行ったと報告しました。VEG-03IとVEG-O3Jという実験名です。VEG-03Iとは宇宙空間で初めて植物の移植に成功した実験です。対してVEG-O3Jはケネディ宇宙センターの種子フィルムを使い、軌道上で種子を植えるという取り組みです。

NASAによると、シードフィルムから育てられたレタスとその他の移植された作物は、どちらも2月2日に無事収穫されました。その後、ホプキンスはVEG-03KとVEG-03Lという名前の新しい実験を開始しました。ケネディ宇宙センターに「ステーキ植物」と呼ばれる新しい「宇宙作物」を含むものです。どうやらその風味が呼び名を決めたようです。もう1つの実験では、エクストラドワーフチンゲンサイと呼ばれる作物を栽培しました。

宇宙ステーションでの栽培実験は大きな意味を持つ

このような「宇宙菜園」のトピックは一般にあまり大きなインパクトを与えないかもしれません。どころが宇宙ステーションで植物を栽培し収穫する実験は、実は大きな意味を持ちます。火星や月への有人飛行が現実になると、宇宙飛行士は長期間の拘束を余儀なくされます。これは彼らのメンタルヘルスに多大な影響を及ぼす要因になります。宇宙空間において、地球の作物に触れて摂取できるのは大きな改善効果が期待できるようです。また、彼らが口にする宇宙食は、通常は18ヶ月の期限がありますが、もし食物を宇宙でも生産できるとすれば、より持続的な活動が展開できることでしょう。こうした取り組みは、やがて民間宇宙飛行の実現を後押ししてくれるかもしれません。

今回の取り組みは、潜在的な将来の有人ミッションに関連する問題の解決に繋がるものです。宇宙飛行士だけでなく、近い将来は我々一人一人にとっても身近なトピックになるかもしれません。ところでNASAのサイトでは興味深いレポートが多く提供されています。ぜひ壮大な活動報告を起点に、人類の未来に思いをはせてみても良いでしょう。

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