最近発表された研究によると、大麻(マリファナ)やその精神活性化合物であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む食品を摂取すると、女性の生殖能力に大きな影響を及ぼす可能性があることがわかりました。4月3日にワシントンにあるEndocrine Society(内分泌学会)の発表によると、THC製品を摂取する女性は妊娠が難しくなる可能性があるという内容です。この調査結果はENDO2020(第102回米国内分泌学会議.)で発表される予定です。
大麻は一般的にマリファナとして知られており、しばしば娯楽目的で使用されているが、気分の高揚感をはじめ、さまざまな効果を求め、この植物に頼る人の数は着実に増加しています。マリファナには複数の化合物が含まれていますが、その中でも特に重要なものがTHCとCBDです。
卵子の発育を阻害し受胎能力を奪う
CBDには精神活性作用はありませんが、THCはいわゆる 「ハイ」 の状態を作り出す化合物です。研究者たちは、さまざまな濃度のTHCにさらされた牛の卵子を使い、実験を行いました。その結果、この化合物は一般的な治療目的の用量や娯楽としての用量でも、女性の生殖能力に影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。
卵子をTHCにさらした後、研究者らは胚をモニターしたところ、より多くのTHCにさらされた卵子ほど、成長スピードが遅れている事が認められました。
研究者らによると、THCにさらされた卵子の変化は胚の発育障害を示唆し、胚が生存する可能性を低くしたということです。この研究結果は、THC製品を定期的に、特に高用量で摂取する女性は、結果として不妊症のリスクがある可能性を示しています。妊娠を望んでいる女性や不妊治療を希望する女性には、THCの摂取を避けるよう勧めています。