手軽さが人気のマウスウォッシュですが、イギリスのプリマス大学が衝撃的な研究結果を発表しました。その内容は、一般的なタイプのマウスウォッシュを使うことにより歯へのダメージリスクが高まる可能性があるというもの。その理由は、マウスウォッシュ自体が歯にダメージを与えるということではなく、むしろ口の中の有益な細菌の居住環境を変えてしまうそうです。そして時間の経過とともに唾液のpH値が低下し、口腔内が酸性へと傾くことにより、歯へのダメージリスクが高まります。
マウスウォッシュは良い細菌も洗い流す
カラダにとって良い細菌、と聞くと思い出されるのが腸内細菌ですが、同様に良い細菌というのは口腔内にも数多く見られます。これまでの研究で、口腔内の衛生を良い環境にしておくということは、認知症の予防に役立つこともあり、なおざりにすると高血圧のリスクを高めるなど、健康全般に良くも悪くも影響を及ぼすことが明らかになっています。
最新の研究によると、マウスウォッシュは口腔内のある有益な細菌に悪影響を及ぼし、歯を溶かす乳酸を産生する細菌の数を増加させる可能性があります。その結果、唾液の酸性度が高まり、時間の経過とともに歯にダメージを与えるリスクが高まります。
口腔内の細菌に対する過小評価
この調査は、被験者に7日間、消毒系の薬品である、クロルヘキシジン系マウスウォッシュを使ったグループと、プラセボのマウスウォッシュを使用したグループとを比較しました。研究者らによると、口腔微生物の多様性の減少が全体的な疾患リスクであるかどうかはまだ明らかにされておらず、さらなる研究が必要です。
クロルヘキシジン系マウスウォッシュは市販薬と処方薬の両方があり、歯科医が処置の前に殺菌剤として使用することがあります。この調査結果は、日常生活においてこの殺菌系のマウスウォッシュを定期的に使用することは口腔内の環境において、悪い結果をもたらす可能性があることを示しています。