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米国で新型コロナのワクチン、人への投与試験を開始。実用化には12~18ヶ月の見通し

米国時間3月16日に新型コロナウイルス予防ワクチンの人への臨床試験が開始されました。この治験は米国立保健研究所(NIH)下の組織である米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)により資金提供されたもので、米ワシントン州シアトルにあるカイザー・パーマネンテ・ワシントン医療研究所で実施されます。

新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの臨床実験開始に関するニュースは、NIHの正式発表に先駆け、政府関係者により匿名で発表されました。米国時間3月16日に開始されたのは「第1相臨床試験」と呼ばれる、臨床試験のうち、健康な成人を対象とした、主に安全性を確認するために行う試験です。今回の治験では、年齢18歳~55歳の45人の健康なボランティアに異なる量のワクチンを投与します。今回検証されるワクチンは「mRNA-1273」と呼ばれ、NIAIDと米Moderna社により共同開発されました。

現在、全世界での感染者の数が15万人以上、死者5,800人以上に到達したCOVID-19に対するワクチンの開発は、世界各地にて急ピッチで行われています。開発中のワクチンの中には、ワクチン投与から1~2ヶ月のみ有効な「臨時的」ワクチンや、新技術を用い、従来よりも早く生産でき、さらに強力なワクチンなど、様々なタイプがあります。

癌と感染症の治療・予防に重点を置く米国の製薬会社Inovio Pharmaceuticals社は、来月より米ペンシルベニア大学の数十人のボランティアを対象に、米ミズーリ州にてワクチン候補の安全性試験を開始する予定です。また同様の治験が中国と韓国でも実施される予定です。

政府関係者は、たとえ初期の安全性試験の結果が良好であったとしても、ワクチンが一般的に利用できるようになるまでには1年から1年半を要するとの見通しを示しています。