新型コロナウイルス(COVID-19)感染者との接触があったことがわかったり、感染者が多数出ている地域から帰ってきた場合、自主隔離することになります。検査をして、その時点で陰性だったとしても、その後の検査で陽性となることもあります。何日経てば、自分は大丈夫だと判断できるのでしょうか。
米ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院での調査によると、潜伏期間は平均して約5.1日(95%CI、4.5〜5.8日)だということです。また、症状を発症した人の97.5%が、12日以内に発症していました。
14日以降、症状が出る可能性は低いがゼロではない
このデータから、感染リスクが高い人で、14日以内に新型コロナウイルスの症状が見られなければ、感染している可能性は低いということが見て取れます。 その一方で、14日を経過してから症状を発症する人はおよそ1%という分析をしています。
また、チームはこのデータを元に、隔離・経過観察の長さが感染の広がりにどう影響するかを予測しました。
14日間の隔離の妥当性
その結果、感染リスクが高い人(注1)10,000人を7日間だけ隔離した場合では、およそ21ケースの感染を見逃す可能性があるのに対し、14日隔離した場合は、1ケースの感染を見逃す可能性がある、という算定結果となりました。
(注1)暴露後に感染症状を発症する可能性が100人に1人である場合を「感染リスクが高い人」として算定
現在多くの地域で取られている14日間の隔離・経過観察は、概ねこのデータに即した対応と言えます。ただ、リスクが非常に高いと思われる極端なケースにおいては、それ以上の隔離措置を取るのが賢明な場合があるかもしれない、とチームは述べています。例えば、医療従事者が感染者をケアした際に、適切な防護装備を身につけていなかったなどです。隔離には各方面にコストがかかるため判断が難しいところです。
新型コロナウイルスに感染した全ての人が症状を発症するわけではない、と言われています。感染していることに気付かずに過ぎている「隠れ感染者」の数は掴みようがなく、今回の調査に含まれていません。
この調査は、新型コロナウイルスが発見されてから比較的初期の感染者、181人のケースを対象としています。手始めの調査としては十分なものですが、今後の感染拡大とともにさらなる調査が見込まれています。