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マリファナに含まれるカンナビゲロールが、MRSA治療に有効との研究結果

大麻に含まれる非精神活性化合物が、 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して「強力な抗生物質」と同じような働きをすることがわかました。

近年、抗生物質(抗菌薬)が効かない「薬剤耐性菌」が増えていますが、治療に抗生物質が使えない場合、最悪は死に至ることもあります。中でもMRSAは日本でも検出頻度が高い細菌です。

この発見は今年2月、米国化学会が発行するジャーナル「感染症」で発表されました。MRSAは スーパーバグとも呼ばれ、 治療が難しくなりがちです。その治療に可能性を見いだすため、研究者は大麻に含まれる18種類の分子についてテストを行いました。

カンナビゲロール (CBG)

その結果、カンナビゲロール(CBG)という化合物に有益作用がある、と強調しています。

一般的に、大麻における薬効成分としては、精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THC)が有名です。その他カンナビジオール(CBD)もよく知られています。しかし18の分子の中で、抗生物質に似た効果を示したのは、あまり知られていない「CBG」でした。その効果が特に顕著だったことから、「CBG」についてさらに研究が進めらたのです。

CBGが強力な抗生物質と同じ働きを

その中で、MRSAに感染したマウスに「CBG」を使って治療を行ったところ、バンコマイシンと同様に効用があることを発見しました。バンコマイシンは、この感染症の治療によく使用される強い抗生物質です。

また、「CBG」は黄色ブドウ球菌のようなグラム陽性菌に効果があるものの、グラム陰性細菌に対しては「単独では」効果がありませんでした。ですが、これを別の薬と組み合わせることで、グラム陰性細菌の外膜に穴を開けてやると、「CBG」が内膜に到達してグラム陰性菌を殺菌できることもわかりました。さらに「CBG」は、休眠状態のMRSA細菌にも効果があり、体表での菌膜形成を防ぐことが確認されました。

抗生物質が効かない治療に光

医療マリファナについては、国や州により合法性についての議論が分かれる分野です。しかし、この発見が新たな治療法や新薬の開発につながれば、困難な治療に際して一筋の光を投げかけることになるでしょう。