イェール大学の研究で、清涼飲料水などに含まれる人工甘味料が、ヒトの代謝に関して従来とは異なる研究結果が発表されました。これらの研究の中には、人工甘味料の摂取が、肥満や2型糖尿病の発症リスクを高めることを明らかにしたものもありましたが、また別の研究ではそうしたマイナス面を伴わず、効率的にダイエット効果を得られると発表するものもありました。長年、相反する結論が出る糖質と人工甘味料のフクザツな関係が明らかになってきました。
人工甘味料が与えるリスクの有無
ゼロカロリー飲料に多く含まれるスクラロースやアセスルファムカリウムのような人工甘味料は、糖尿病患者や体重が気になる人によく使われるゼロカロリーの砂糖代替品です。これらのゼロカロリー甘味料は長年健康リスクが有るのか無いのか議論の的となっていますが、懸念の一部は科学的アプローチからではなく根拠の無い感情論から来ているものも少なくありません。これらのゼロカロリー甘味料に関する研究には矛盾する研究結果が散見されており、ゼロカロリー甘味料がダイエット効果など、カラダに良い影響を及ぼすという研究もあれば、カラダに悪影響があり代謝リスクを警告する研究もあります。
カラダに悪影響を与えない上手な人工甘味料との付き合い方
イェール大学の研究によると、ゼロカロリー甘味料がカラダに悪影響を及ぼすかどうかのポイントは、炭水化物と一緒に摂取したかどうかによると発表しました。研究チームは清涼飲料水に含まれるスクラロースを単独で摂取してもカラダに悪影響はないことを発見しました。
しかし、ゼロカロリー甘味料を炭水化物と一緒に摂取した場合、神経反応および代謝に悪影響が生じました。その結果、普通のお茶やコーヒーなど糖類の入っていない飲み物を甘くするために、人工甘味料を使うことは無害と言って問題なさそうですが、砂糖を入れていなくても果糖やでんぷんなど、炭水化物の含まれたお菓子やヨーグルトのような食べ物を甘くするために、人工甘味料を使うと健康に悪影響を及ぼす可能性があることがわかりました。
この研究の統括研究員であるDana Small氏は次のように述べています。
「少量であればゼロカロリーの炭酸飲料を安全に飲むことができると考えられますが、それに食事やお菓子を可能な限り、一緒に食べてはいけないという結論です。これは糖類を摂取してはいけない糖尿病患者にとって非常に重要な研究結果になりました。」