不規則な睡眠は心臓にとって大きなリスク

米国立衛生研究所(NIH)が発表した最新の研究によると、われわれの心臓を守り心疾患を予防するためには、睡眠時間をしっかりと管理する必要がありそうです。この研究はNIHのNational Heart,Lung,and Blood Instituteによって発表され、慢性的な睡眠不足が将来の心臓病リスク要因であることがわかりました。知らず知らずのうちにカラダを蝕む不規則な睡眠時間。そのリスクとは。

不規則な睡眠時間

十分な睡眠を取るということは、過去の研究によって心身の様々な健康効果と関連しています。同様に睡眠の質の低さ睡眠不足、そして睡眠障害高血圧のようにカラダにより差し迫った問題や、認知症ガンリスク上昇のような長期的な問題を筆頭に多くの健康問題引き起こす可能性があることが研究で明らかになっています。

Journal of the American College of Cardiologyに掲載された最新の研究では、睡眠の質の悪さや睡眠不足だけでなく、不規則な睡眠時間も健康上のリスク要因になり得るかどうかが調査されました。この場合の「不規則な睡眠時間」とは、毎晩寝る時間が異なり、朝同じ時間に起きないという事を定義しています。

睡眠トラッカーを使った新しい研究

この研究には45歳から84歳までの成人約2,000人が参加しましたが、研究開始時に心臓病を患った人はいませんでした。これらの被験者は心筋梗塞や脳梗塞(アテローム性動脈硬化症)の多民族研究(MESA)に参加していた。参加者は米国在住で、38%が白人、28%がアフリカ系アメリカ人、22%がヒスパニック、12%が中国系アメリカ人といった割合です。

この被験者の手首にはスマートウォッチに似た装置が装着されており、睡眠時と起床時のデータを収集することが可能です。また、この研究の一環として各参加者は自宅で 「睡眠に関する検査」 も受けてもらいました。

発生リスクの大幅な増加

5年間の追跡調査111人が心臓の疾患を発症していたことがわかりました。このデータによると、最も不規則な睡眠時間を取った被験者は、毎晩規則的なスケジュールで就寝・起床した被験者に比べて、この病気を発症するリスクが約2倍ほど高かったことがわかりました。

このリスク増加は、睡眠時無呼吸症候群などの潜在的に睡眠へ影響を及ぼす他の要因より明らかに「多い」 ものでした。有色人種の参加者の方が白人の参加者よりも影響が大きく、これは過去の研究結果も同様でしたが今回のこの研究では性別による差は特に認められませんでした。

規則正しい生活が健康に良い、と言うのは今に始まった事ではありませんが、データとして裏付けされてしまった以上、休日でも目覚まし時計を出動させた方が良いのかもしれませんね。

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