BMW『iNEXT』の5G搭載計画:人や社会とつながるクルマへ

BMWが描く5GとEVのコンビネーション

BMWの次世代EV「BMW iNEXT」 には、CES2020で発表されたように5Gが搭載される予定で、自動運転などの機能に高速通信技術を利用します。2018年に 「Vision iNEXT」 として発表されたこの完全EVのクロスオーバーSUVは、2021年までに市販される見込みです。

「iNEXT」は現行の「i3」で得たノウハウを活かし、航続距離など性能面を向上させている。

最新の電気モーター技術「eDrive」を含むBMWの第5世代EVパワートレインを採用するのは、これで2台目となります。これにより、電気モーター、エレクトロニクス、トランスミッションをひとつのユニットにまとめることができ、より効率的でコンパクトなパッケージングが可能になります。

しかしCES2020では、車のスピードよりもコネクティング技術に焦点が当てられていました。5Gのセールスポイントのひとつは、高速大容量のデータ通信を活用して、車から車、車からインフラへの通信などの機能を提供することで、ネット世代の自動車に恩恵をもたらすことです。BMWはこれらすべてを「iNEXT」で利用する計画ですが、車内エンターテインメントの改善にも5Gを活用します。

「未来の車」は空を飛ぶのではなく、人や社会と「つながる車」になるようだ。

安全な自律走行に欠かせない5G技術

「iNEXT」は、レベル3+の自動運転機能を搭載し、運転支援技術やその他の技術を組み合わせたものになるとのこと。自動運転車は単独ではなく、他の車や周囲のインフラと通信するため、BMWは携帯電話ネットワークに依存することになります。しかし、これを成功させるには、高速かつ広範囲な通信網とビットレートの割り当てが必要です。

BMWは、車両の位置情報を得るための新しいGlobal Navigation Satellite System(GNSS)をHarman社(Samsung傘下の多国籍企業)と共同で開発しており、匿名化された安全関連の交通情報を非商用利用に開放することを既に約束しています。これは、BMWが現在Qualcommに期待している5Gネットワーク上のC-V2X(Cellular Vehicle to Everything/携帯電話回線を利用した車両通信)に依存するものです。例えば、車が道路状況の異常を検知した場合、サーバーを通して自動車メーカーや行政、緊急サービスなどと共有することができます。

車の運転以外でも、C-V2Xが共有しているデータは役に立つかもしれません。現在実装されている車両間システムは、通常、比較的短距離の直接無線通信を使用します。通信に対応している近くの車両に通知することはできますが、その範囲は限定的です。C-V2Xでは車だけでなく、バイク、自転車、歩行者が5G接続を使用して、リアルタイムで何が起きているかをより具体的に把握することができます。

正確な交通情報をリアルタイムで共有できれば、事故や渋滞の軽減につながるだろう。

5Gの活用で運転がより楽しくなる

5Gの用途は安全性以外にもあります。BMWは、次世代ネットワークを車内の娯楽や快適さのためにどのように利用するか検討しています。4Kビデオを車載ディスプレイにストリーミングすることや、テレビ番組、映画、ビデオ会議なども範疇に入れています。

Google Stadiaなどのストリーミングゲームサービスも利用できるようになる可能性があります。従来の4G LTEでは、容量や遅延を考慮すると、移動中の車両に対しては能力を効果的に発揮できません。しかし5Gの登場により、これらが現実的なものになろうとしています。

「EV」「5G」「自動運転」…この3つのキーワードからは、今後も目が離せない。

BMWは、5Gを市販モデルで提供する最初の高級車メーカーになる可能性が高いと考えられます。5Gが「iNEXT」で標準搭載されるかどうかはまだ明らかにされていませんが、どうやらその方向に向かっているようです。

車の購入時には走行性能だけでなく、「接続性」も考慮しなければいけない時代が訪れようとしています。あなたは車探しの際、何を優先しますか?

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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