ドライバーは、ステアリングホイール、つまりハンドルが常に車に装備されているのを当然のことと考えています。確かに現代では、購入する車両のブランドに関係なく、すべての車にハンドルがあり、共通の操作ができるようになっています。しかし、メルセデス・ベンツの初代モデルでは、ハンドルではなくティラーと呼ばれるレバーのような器具で操縦をしており、最初から常にハンドルを使用していたわけではありませんでした。今回、メルセデスが語る新しいEクラスは2020年夏に発売される予定であり、歴史に新たなページを刻むかのような、完全にデジタル化されたハンドルを特徴としています。
最も目立ち、強く触れる部分だからこそのこだわり
新型Eクラスは、ドライバーの手がホイールを握っているかどうかを検知する2ゾーンセンサーマットを含むリムを備えた静電容量式ステアリングホイールを採用する予定です。ステアリングホイールのスポークには、デジタル信号で動作するタッチコントロールボタンが付いています。メルセデスによると、ステアリングホイールの設計には、開発者と設計者が手を取り合って作業する必要があったといいます。
回路基板は1ミリ単位で、ホイールの表面をどのように設計できるかが決まります。メルセデスは、見た目と触覚がなにより大事であり、ハンドルは車の中で、ドライバーがシート以外に強く触れる唯一の部品だといいます。
用途に応じた3つのバリエーション
新しいステアリングホイールには、前後にセンサーが付いています。センサーが検知してくれるため、車両がドライバーによって制御されていることを、アシスタントシステムに知らせるための動作は必要ありません。ステアリングホイールに静電容量式ボタンをつけることで、機械的な操作は最小限になります。また、ボタンは、100度以上の温度でも作動するよう設計されています。
メルセデスによると、高品質の素材が選ばれているため、車内が日光で熱くなっていても、あらゆる車両制御が可能だといいます。メルセデスはこのステアリングホイールを、スポーツ用、高級車用、スーパースポーツ用の3種類で提供します。スーパースポーツ用は370 mm、高級車用は380 mmとバージョンによって若干直径が異なります。