マセラッティの新時代を切り開くスーパースポーツカー「MC20」は、今月末にデビューする予定でしたが、COVID-19の感染拡大を受けて延期。どうやら9月末ごろまで待つ必要がありそうです。しかし、マセラティはイタリア・ミラノの証券取引所があるアファーリ広場で、夜間に走り回るMC20 プロトタイプのスパイ画像を数枚公開しています。
同社によれば、MC20は2004年にデビューし大成功を収めた「MC12(ティポ M144S)」の後継モデルであり、またマセラティのレース復帰を記念したものでもあるようです。生産終了したアルファロメオ「4C」をベースにしたミッドシップスポーツカーです。
カーボン製シャシーはアルファ 4Cから流用していますが、全長・全幅ともに拡大し、ロングホイールベースを有する流麗なスタイルです。MC12はサーキット向けの辛口なスーパーカーでしたが、MC20は価格とパフォーマンスの両面で、より身近な存在になることを目指しています。
マセラティはまだ具体的な詳細を明らかにしていませんが、断片的な情報はいくつか公になっています。MC20は、おそらくミッドマウントのターボチャージャー付きV6エンジンを搭載し、最大出力は600馬力。高性能スポーツカーにおなじみのゲトラグ製8速デュアルクラッチATと組み合わされると思われます。
これにより、新型シボレー「C8 コルベット」、ポルシェ「911」、アウディ「R8」などと肩を並べることができるでしょう。しかし、「レヴァンテ・トロフェオ」のV8エンジン(590馬力)が搭載される可能性もあります。
また、パワートレインにはハイブリッドもしくはEVのいずれか(あるいは両方)が用意されます。ボディスタイルはクーペとカブリオレを設定。クーペモデルが先に販売されますが、カブリオレは2021年まで登場することはなさそうです。
マセラッティが公開している画像の中で、中指を立てた巨大な像が背景に映っていることが話題になっています。これは美術家のマウリツィオ・カテラン氏が制作した彫刻「L.O.V.E」で、証券取引所のあるアファーリ広場の中心部に設置されています。この彫刻と同じく、MC20は「イタリアの大胆さ」を象徴するモデルだとマセラッティは謳っています。コロナ騒動を乗り越えた暁には、その大胆さをもってトライデントの紋章を世界中に誇示してほしいものです。