当たり前の話ですが、車は運転されて然るべきものです。しかし、皆がCOVID-19の蔓延を抑制するための努力を続けている今、車に乗る機会が減った方も多いかと思います。運転していなくても、車のケアは必要なのでしょうか?
答えは「YES」です。外出自粛中の愛車のお手入れ方法について、日産が役立つ情報を披露してくれました。以下のテクニックは北米日産が公開したものですが、メーカーやモデルに関係なく、すべての輸入車・国産車に適用できます。北米日産のニューモデルエンジニアリング担当ディレクターであるライアン・フルカーソン(Ryan Fulkerson)氏曰く、「乗らない期間が長いほど、問題が発生する可能性が高くなります」とのこと。運転していない時こそ、メンテナンスを心がけるべきなのです。
1.バッテリーの充電切れに注意
車のバッテリーは、最も軽視されているアイテムの1つです。バッテリーには多くの種類がありますが、どれも最高のパフォーマンスを発揮するためには、正常な充電状態を保つ必要があります。
運転しない間も、バッテリーをフル充電しておくことをお勧めします。ご存知の通り、車のバッテリーは時間の経過とともに放電する傾向があります。頻繁に運転することで、オルタネーターから充電に必要な電力を得ることができますが、緊急事態宣言が出されている今、多くの車でバッテリー残量の低下が予想されます。
このコロナウイルス騒動が終わり、「よし、ドライブに行くぞ」と乗り込んだ車のエンジンがかからない……という悲惨な目にあう前にやるべきこと。市販のバッテリーテンダーやトリクル充電器を使用し、定期的な充電を心がけましょう。ただし、充電の前には、プラスとマイナスの両端子に汚れや腐食がないことを確認してください。腐食を見つけた場合は、古い歯ブラシを使って、水と重曹を混ぜた溶液で取り除きます。
2.エンジンをかけ、時々運転する
エンジンをかけたり運転したりことで、前述のバッテリートラブルを防ぐだけでなく、重要なエンジンフルードを循環させることができます。これにより、エンジン部品の早期摩耗や損傷を低減するほか、ブレーキローターを錆や腐食から守ることにつながります。
もし2台以上の車を持っている場合は、食料品店やドラッグストアなど生活必需品の買い物において、2台を交互に使用することをお勧めします。エンジンやトランスミッションなどが適度に暖まることで、オイルが可動部全体に行き渡り、コールドスタート時の早期摩耗や破損を防ぐことができます。
しかし、20分以上運転することができない場合は、駐車したままエンジンを始動し、10~15分間アイドリングさせるか、少なくとも油温が理想的な作動温度に達するようにしてください。当然ですが、アイドリング時は周囲の迷惑にならないよう気を配りましょう。
3.オイル等のフルードを点検する
運転したり暖機したりした後は、エンジンオイル、トランスミッションフルード、ブレーキフルード、エンジンクーラントなどの重要なフルードを定期的に点検することを習慣づけましょう。上記のいずれかが不足している場合は、必要に応じて新鮮なフルードを補充してください。
4.タイヤの空気圧を適切に保つ
長期間同じ姿勢で駐車していると、タイヤが自然とパンクすることがあります。これは、古いタイヤや摩耗の激しいタイヤに起こりやすい現象です。また、車が1週間以上動かない状態が続くと、タイヤの空気圧が低下する傾向があります。空気圧が下がると燃費が悪化するだけでなく、運転に支障をきたし、走行中のパンクなど重大な事故につながる恐れがあります。
今度ガソリンスタンドに立ち寄った際、4本のタイヤすべての空気圧をチェックしてみましょう。推奨の空気圧はドアステッカーに記載されていますし、スタンドの店員が測ってくれるところもあります。ただ、ほとんどの車では、30~35psi(210~250kpa)程度に維持するのが適正とされています。
5.洗車
最初は気づかないかもしれませんが、使用していない車にはホコリや汚れがすぐに溜まってしまいます。風、雨、雪、紫外線への継続的な暴露は、ボディの塗装や樹脂パーツにとって非常に過酷であり、劣化を早めることになります。そうでなくても、家で何もすることがなく、映画やゲームに飽きてしまったのであれば、今こそ車に愛情を注ぐべきです。
しかし、直射日光の下では車を洗わないでください。日陰やガレージに停めてから、水ですすいで表面のホコリや汚れを除去しましょう。次に、スポンジと車用シャンプーを使用して洗います。終わったら車をすすぎ、清潔で乾いたマイクロファイバータオルを使用して余分な水分を取り除きます。「自分で車を洗うことは退屈を解消し、家族全員のための素晴らしい活動にもなります」と北米日産のフルカーソン氏は述べています。
以上、5つの重要なポイントについてご紹介いたしました。車はデリケートな工業製品ですので、運転する機会が減った今こそ手入れを怠らないようにしましょう。ただ、最も重要なことは(車の調子を整える以前に)、皆さんの一人ひとりが健康で安全な状態でいることです。それを忘れないでください。