マクラーレン「セナ GTR」の巨大なリアウィングの目的

マクラーレン「セナ GTR」について語る際によく言われるのが、「イギリスの自動車メーカーがこれまでに作った中で最もパワフルなスポーツカーだ」という台詞です。それはまさにその通り。しかし、セナ GTRの最も印象的なポイントは、4.0L V型8気筒エンジンの圧倒的なパワーではなく、LMP1スタイルの巨大なリアウイングではないでしょうか。

これが自動車史上最大のリアスポイラーなのかどうかはわかりませんが、非常に重要な役割を担っていることは確かです。マクラーレンのショートフィルム「テッククラブ(Tech Club)」シリーズの第2弾にて、なぜセナ GTRのリアウイングが小型飛行機並みに大きいのか、その理由を明らかにしています。

「テッククラブ(Tech Club)」はYouTubeのマクラーレン公式チャンネル「McLaren Automotive」で公開中。

2週間前、マクラーレンはテッククラブの第1弾として、「エルバ(Elba)」に採用されているアクティブ・エア・マネジメント・システム(AAMS)の不思議な仕組みを紹介しました。そして今回、マクラーレンはセナ GTRのエアロトリックに隠された、マニアックな知識を披露してくれました。

注目を集めているのはリアウイングですが、セナ GTRはカーボン製のエアロパーツをふんだんに使用しています。フロントスプリッター、フロントコーナーのダイブプレーンとボルテックスジェネレーター、そしてアクティブエアロブレードなど。

車名の由来は伝説的なレーシングドライバー、アイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏に由来する。

しかし、マクラーレンはそれだけでは飽き足らず、さらに多くのものを要求しました。エンジニアたちは主任デザイナーのエステバン・パラッツォ(Esteban Palazzo)氏に、1,000kgのダウンフォースという記念碑的な仕事を与えました。

考えてみれば、この数字は公道向けの「セナ」よりも200kgも多いのです。さらに印象的なのは、GTRが15%低い速度でセナと同等のダウンフォースを発揮することです。「ウイングはダウンフォースのためだけでなく、直進安定性を向上させるためにもあるんだ」とパラッツォ氏は言います。開発チームは作業に取り掛かり、カーボン製の傑作ウィングにたどり着きました。

今すぐ空を飛びそうな翼にも見えるが、その役割は真逆で、車を地面に押し付けて安定させるためのものだ。

マクラーレン・セナ GTRのリアウイングには、LMP1スタイルのエンドプレートが装着されています。また、ウイングには、高速走行時に車体を地面に押し付ける大型のリアディフューザーが組み合わされています。

さらに、それだけでは物足りないという方のために、ウイングにはドラッグ・リダクション・システム(DRS)をはじめとする、電子制御による可動式のエアロパーツも装備されています。このシステムは、最高速度での走行時にリアウイングの角度を自動的に調整し、可能な限りスムーズな気流を作り出します。

2次触媒を取り除くことでパワーアップが見込めるほか、エキゾーストサウンドもよりレーシーになる。

特別なチューニングを施されたターボチャージャー付き4.0L V8エンジンを搭載し、最高出力814馬力・最大トルク590ポンドフィート(800Nm)を引き出します。車重がわずか2,619ポンド(1,188kg)。エキゾーストシステムから2次触媒が撤去されていることもあり、停止状態から2.7秒で時速60マイル(96km/h)まで到達し、最高速度は200マイル(321km/h)を超え、他のマクラーレンにはないエキゾーストサウンドを実現しています。

この非常にレーシーな車が75台限定とはいえ市販されたのだから驚きだ。しかも数週間で完売。世の中には分からないことが多い。

セナ GTRはどう見ても公道を走れる車ではありませんが、昨年のコンセプトカーのプレビューから数週間で75台すべてを売り切ってしまいました。価格は約140万ドル(約1億5千万円)。V8ターボエンジンを搭載した、サーキット専用の絶叫マシンです。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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