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レクサス「LC500/LC500h」に控えめなアップデート:2021年モデル北米発表

レクサスが、ラグジュアリースポーツクーペ「LC500」および「LC500h」の2021年モデルを北米で発表しました。昨年のイヤーモデルより22ポンド(約10kg)軽くなったほか、Android Auto、Apple CarPlay、Amazon Alexaに対応。レクサスは今回の改良において、LCの華麗な5.0L V8エンジンに手を加えることはありませんでしたが、その代わりに軽量化した足回りを採用し、操縦性、安定性、ドライブフィーリングを向上させています。

LCはサーキット向けの車ではなく、ラップタイムを破るためのものでもありません。スーパーカーにインスパイアされたスタイリングと、余裕のあるパワートレインを備えた快適なGTカーです。しかし、イヤーチェンジにおける最大のニュースは、バネ下の重量が減ったことです。

車重の減少はサスペンション部品の軽量化によるものです。レクサスは軽量化のために、新しいアルミ製のサスペンションアームとスタビライザーを採用。また、従来のコイルスプリングから、軽量な新素材の高強度スプリングセットに変更しました。ほかにも、21インチのホイールをより軽量なものに変えていますが、これはリアホイールのみの変更で、重量バランスに関係しているのだと思われます。

こうしたダイエットの後、サスペンションのセッティングを再調整しました。路面から離れることなく、しなやかな走りを提供することを目標に、レクサスはフロントの電子制御アブソーバーに手を加えてサスペンションのストローク量を長くし、バウンドストッパーの剛性を最適化。リアスタビライザーも強化しました。レクサスによると、今回の改良は、コーナリングの安定性を高めつつ、ステアリングフィールを向上させるためだといいます。

これらはサーキット志向のスポーツカーをチューニングするためのレシピのようにも思えるかもしれません。しかし、レクサスがLCの貴族的な快適性を損なうことなく、より運動性能を高めることを目指したのは明らかです。また、LC500およびLC500h用の新しいビークル・スタビリティ・コントロールも装備。この新システムには、コーナリング時に内輪にブレーキをかけ、自動的に旋回性を高めるアクティブ・コーナリング・アシスト(ACA)を追加しています。

次に、レクサスは標準の10速ATにも改良を施しました。LC500(ガソリン)では、トランスミッションの新しいシフトロジックソフトウェアにより、変速時の加速感を向上させています。一方、LC500h(ハイブリッド)はヘアピンカーブを高速でアタックできるよう、2速(これまでは3速)までシフトダウンを行うことで、本格的なスポーツカーのごとくコーナリングを楽しめるようになりました。

新しいボディカラーとして、ノリグリーンパール(Nori Green Pearl)とカドミウムオレンジ(Cadmium Orange)が追加されました。

インテリアも変更が加えられています。新しいレザーオプションとして、従来のリオハレッド(Rioja Red)の代わりにサーキットレッド(Circuit Red)へと変更。赤いレザーシートが好きでない場合は、ブラック(Black)やトーストキャラメル(Toasted Caramel)も選ぶことができます。また、LCのアスレチックな雰囲気をさらに高めるために、より肉厚なステアリングも用意されています。

2021年モデルのLC500(ガソリン)は引き続き、最高出力471馬力、最大トルク398ポンド・フィート(540Nm)を引き出す5.0L V8エンジンを搭載しています。10速のギアボックスと足回りを改良したこのLC500は、停止状態から4.4秒で時速60マイル(96km/h)に達すると同時に、高速道路では25mpg(10.6km/l)の燃費を実現します。

また、LC500hはマルチステージ・ハイブリッドシステムを搭載しています。3.5LのV6ガソリンエンジンと2基の電気モーターにより、合計出力354馬力を発揮。高出力バッテリーパックと従来の有段ギアを組み合わせ、10速の変速挙動を実現する革新的なCVTトランスミッションを採用した技術のショーケースです。

2021年モデルのLC500とLC500hは、今年後半に北米の販売店に到着する予定です。価格などの詳細は後日発表されます。

ボディ軽量化とトランスミッションの改良を施され、細部に磨きがかかった新型ラグジュアリースポーツクーペ。大幅な変更ではないものの、必要に応じた適切なイヤーチェンジと言えます。