日産がロードノイズを低減する新素材の軽量防音材を発表

軽量、かつ低コストの新素材

日産は、CES2020(電子機器の見本市)に参加した多くの自動車メーカーの一つです。日産はこの見本市でさまざまなイノベーションを披露していますが、なかでも目を引くのが、自動車に組み込むことができる新しい防音材です。この軽量素材は「音響メタマテリアル」として知られています。

「音響メタマテリアル」の開発を担当した三浦 進氏 。日産にとって騒音の低減は長年の課題だったという。(下記動画参照)

格子構造の上に、空気の振動をコントロールするプラスチックフィルムを貼るという組み合わせにより、500ヘルツから1200ヘルツと広範囲の周波数のノイズ伝達を制御します。ロードノイズ(タイヤから生じる走行音)やエンジン音など、車内に入ってくる自動車特有の音を効率的に抑制できます。日産によると、このタイプの音を遮断するために現在使われている素材は、重いゴム板だそうです。防音材には複数の種類がありますが、特に低音の響きを抑えるには重量のある素材が使われがちです。

この新しい音響メタマテリアルは、重量を現在の素材の1/4に抑えながら、同等の遮音性を提供します。材料の構造が単純なため、大量生産によるコストパフォーマンスがいいこともメリットの一つです。軽量かつ低コストということで、これまで制限されてきた材料も新たに使用できるようになるでしょう。

日産によると、新素材の研究を始めたのは2008年ごろで、当時は電磁波研究用の高感度アンテナにメタマテリアルが使われていたようです。日産は、この素材の応用範囲を音波にまで広げ、音響メタマテリアルを開発しました。

防音は目立たない分野ではあるが、快適性や燃費を左右する重要な要素である。

この新素材は自動車の軽量化に役立つため、燃費の向上と排出ガス削減による環境負荷の軽減だけでなく、運動性能の向上にもつながるでしょう。多くの場合、自動車にとって「軽さ」は武器になります。

EV(電気自動車)にとっても、軽量化は航続距離の延長に有利です。EVはエンジン音がないためもともと静粛性は高く、新素材との相性もよさそうです。日産は、音響メタマテリアルが量産車に導入される時期や、どの車で最初に採用するかは明らかにしていません。ただ、こうした新技術によりますます自動車が進化し、より快適で安全、かつ環境負荷も少ないモビリティーへと発展していくことでしょう。

林 汰久也

愛知県在住 28歳。ハウスメーカーの営業を経て、ITベンチャー企業のメディア事業に参画。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。マツダRX-8、シトロエンC4を乗り継ぎ、現在は2010年式スバル フォレスターに落ち着く。

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