紛れもなく、ランボルギーニ アヴェンタドールSVJは「野蛮」なスーパーカーです。しかし、ランボルギーニと米国道路交通安全局(NHTSA)は、ドアハンドルの不具合を修正するため、26台のアヴェンタドールSVJに対してリコール通知を出しました。どうやらこの軽微な欠陥により、運転手と同乗者は車内に閉じ込められる可能性があるそうです。
ドアハンドルの欠陥の背景
この問題は、アヴェンタドールSVJの派手な6.5リッター自然吸気V12モーターとは何の関係もありません。しかし、今回のリコール通知は、ドアハンドルの修理に焦点を当てたもので、アヴェンタドールSVJの場合はビニール製のストラップに過ぎません。
この不具合の原因は、未熟練の若い作業員による人為的なものでした。内側のドアハンドルとケーブルピンを接続し忘れて乗車すると問題が発生します。ビニール製のドアストラップを引っ張ると、時間の経過とともにドアが開かなくなるのです。つまり乗員は車内に閉じ込められてしまう可能性があるので、緊急時に大きな安全リスクをもたらします。
今回のリコール通知は、2019年12月から2020年1月の間に製造されたアヴェンタドールSVJクーペとアヴェンタドールSVJロードスターの26台を対象にしています。ランボルギーニは現在、対象顧客にドアハンドルの修理・交換対応を申し出ています。ちなみに同社は、ベース価格が50万ドル(約5千350万円 2020年3月30日現在)以上から始まるアヴェンタドールSVJを900台しか製造していません。
アヴェンタドールSVJが打ち立てた大記録
50万ドル(約5千350万円 2020年3月30日現在)はイタリア製のスーパーカーにしては大金ですが、やはりそれに見合うだけのリソースが投じられていることの裏返しです。ランボルギーニ アヴェンタドールSVJは、アヴェンタドールのよりハードコアでトラックに特化したモデルになっています。実際、アヴェンタドールSVJは、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェサーキットを最速で周回した市販車でした。記録は6分44秒97、これはHuracan Performanteよりも7秒速く、前の記録保持者であるPorsche 911 GT2 RSよりも3秒近く短縮しています。
アヴェンタドールSVJの記録破りの性能の大部分は、ALA 2.0、つまりフラカン・ペルフォルマンテに最初に搭載されたトリックエアロシステム、Aerodinamica Lamborghini Attiva (エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティバ) の進化版にあたります。この機械的に複雑なエアロテクノロジーは、パネルヒンジを使用してダウンフォースと抗力のバランスをとることで力を発揮します。
ランボルギーニ アヴェンタドールSVJは、自然吸気6.5リッターV型12気筒エンジンを搭載し、770馬力、531ポンドフィートのトルクを生み出します。0から時速60マイル (約96.5キロ / 時) まで2.8秒で加速し、最高速度は217マイル (約349キロ / 時) を超えます。何よりも、アヴェンタドールSVJの後継はハイブリッドモデルとなるであろうと目されており、シリーズとしては最後のモデルとなる見込みです。