イギリスの慈善団体 IAM RoadSmartが実施した調査の結果、Android AutoやApple CarPlayの使用によって、ドライバーの注意力が危険なレベルまで低下する可能性があることが分かりました。研究結果は、最新の車載インフォテインメントシステムが、アルコールや大麻の使用よりも運転中のドライバーの反応速度を低下させることを示しています。研究者らによると、高速道路での反応速度は、4~5台分の長さの平均停車距離が増加するようです。
研究により、ドライバーは運転中にタッチコントロールを使用する際、16秒間も道路から目をそらしていることが判明。これらのタッチコントロールの使用は、ドライバーの反応速度を、メールしながら運転しているときよりも悪化させています。調査に携わった研究者たちは現在、ドライバーの注意散漫を最小限に抑えるために、新しい基準が必要だと主張しています。
上記の表で示されている通り、飲酒運転時のドライバーの反応速度は通常時より12%遅くなります。大麻を使用しているときは21%、ハンズフリーで通話しているときは27%低下します。研究者らによると、Android Autoをタッチ操作で使用することで、ドライバーの反応速速度が53%も低下したとのこと。
同じくタッチ操作でApple CarPlayを使用する場合、反応速度は57%遅くなります。音声による操作を行ったとしても、Android Autoでは30%、Apple CarPlayでも36%の低下が見られました。タッチ操作より緩和されているとはいえ、それでも大幅な注意力低下といえます。誤解しないでいただきたいのは、Android AutoやCarPlayに一方的に問題があるのではなく(改善点はあるかもしれませんが)、ドライバーの意識に問題が潜んでいるということです。
この研究の重要なポイントは、被験者のドライバーが道路から5秒程度目を離すことについては危機感を抱いていなかったということです。インフォテインメントシステムをタッチで操作することは、反応速度を著しく低下させ、事故につながる可能性を高めます。昨今のインフォテインメントシステムは、コネクテッド技術が普及し始めたことで、より複雑になっています。研究者たちは、仕事で車を使用する企業に対し、何らかの基準を定めるよう求めていますが、個人レベルでも意識を改めるべきだと思います。