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家族で乗れる1,700馬力のクルマ:Koenigsegg「Gemera」は桁外れのファミリーカー

スウェーデンの自動車メーカーKoenigsegg(ケーニグセグ)は、ハイパワーのクーペモデルで評判を築いてきましたが、今回登場した「Gemera(ジェメラ)」は、家族を乗せてドライブに出かけられるスーパー・ファミリーカーです。「メガGT」とも呼ばれるこの車は、一見クーペのように見えますが、大人4人が座れるスペースが確保されています。

戦闘機のようなラップアラウンド型のフロントガラスを採用。

Koenigseggによると、「快適性、スタイル、安全性に優れ、今までにないパフォーマンスを実現した家族旅行に理想的な車」になったといいます。

パワートレーンはハイブリッドで、ガソリンエンジンと3つの電気モーターを備えています。内燃機関は2.0リットルの3気筒ツインターボ・フリーバルブエンジンで、同社はこれを「Tiny Friendly Giant」と呼んでおり、小型ではあるもののエンジン単体で450kW/600馬力を発揮します。

軽量なカーボンモノコック製ボディに、4つのシートと1,700馬力のパワーユニットを詰め込んだ。

電気モーターは、各後輪に一基ずつ、エンジンのクランクシャフトにもう一基、合わせて800kW/1,100馬力を生み出します。その結果、システム合計出力は1.27MW、つまり1,700馬力にもなります。

ハイブリッドシステムはプラグイン方式で、800Vの15kWhバッテリーを備えており、Koenigseggによれば、バッテリーのみのEV駆動で約31マイル(約50km)走るとのこと。電気モーターだけで最高時速211マイル (約340km/h) に達します。必要に応じてエンジンが作動し、最大航続距離は約620マイル(約1,000km)。Tiny Friendly Giantは、ガソリンだけでなく、第2.0世代のエタノール、Vulcanol、E85燃料など、より環境に優しい燃料でも走ることができます。

フリーバルブ技術はKoenigsegg子会社のFreeValve社が開発。カムシャフトが不要のため軽量化に役立つ。

環境に優しいからといって、つまらないという意味ではありません。Koenigseggによれば、全輪操舵と全輪トルクベクトル制御が可能で、トラクションコントロールは「ノーマル」「ウェット」「トラック」の3つのモードに対応しています。長距離移動が目的であれば、レーンアシスト付きのアダプティブクルーズコントロールが役立つでしょう。デジタルサイドミラーや、前後の車高を油圧で調整できる機能も備えています。

インテリアは、Koenigseggのほかのスーパーカー同様に豪華です。フルレザーまたはアルカンタラを使用した、カーボン製スポーツバケットシートは4席すべてにヒーターが備わります。3ゾーンのエアコン、11スピーカーのオーディオシステムとサブウーファー、そしてAppel CarPlayに対応したインフォテインメントシステムを搭載。フロントとリアの両方に13インチのディスプレイが装備されているほか、スマートフォンの非接触充電が2つ、保温・冷却機能付きのカップホルダーも4つあります。

垂直に立ち上がるKATSADを採用し、Bピラーレスを実現。前席を動かさずに後席へ乗り込める。

特殊なドアにも注目です。後席用のドアは用意されているわけではありませんが、Koenigsegg Automated Twisted Synchrohelix Actuation Doors(ケーニグセグ自動ツイストシンクロヘリックスアクチュエーションドア/KATSAD)を採用することで大きな開口部を確保。Bピラーや前席に邪魔されることなく後席に乗り込めます。

Gemeraという車名の由来は、スウェーデン語で「give(与える)」「more(さらに)」という意味の単語を組み合わせた造語です。さまざまな要素をふんだんに盛り込んだこの車にふさわしいネーミングといえます。

こうした面白味のあるクルマが登場するのも、昨今のスーパーカーブームの恩恵だ。

Koenigseggは、Gemeraを300台のみの限定生産としています。価格はまだ確認されていませんが、大人4人がゆったり乗れるスーパーカーはそうそうありません。強いて挙げるならFerrari「FF」「GTC4 Lusso」、Porsche「Panamera」などがライバル候補となるかもしれませんが、パフォーマンスではGemeraに軍配が上がります。

ミニバンやSUVに飽きてしまったあなた。刺激的なファミリーカーとしてKoenigsegg Gemeraはいかがでしょうか(奥様の許可が下りれば、の話)。