Volkswagenは、電動クロスオーバー「ID .4」のプロトタイプを発表しました。すでに公表されている「ID .3」に続いて登場したID .4。この車はコンセプトカー「ID.CROZZ」をベースにしており、見たところそのずんぐりしたデザインと近しいものを感じます。
VWはジュネーブ・モーターショー2020でID .4を公開する予定でしたが、コロナウイルスの脅威が立ち塞がりました。スイスでのCOVID-19に対する懸念からモーターショーは中止となり、VWは代わりとして3日にID .4をソフトローンチしました。
サイズはID .3より大きいものの、VWはID .4の空力特性をアピールしています。特にEVでは、ドラッグ係数(空気抵抗)を減らすために、できるだけボディを滑らかにすることが重視されています。
発売時には、はじめはID .4の後輪駆動バージョンのみが用意されるとのこと。タイミングは明らかではないものの、全輪駆動バージョンも後に追加が予定されています。このクロスオーバーを支えるMEBプラットフォームは、フロント、リア、ドライブユニットのあらゆる組み合わせに対応し、重量、サイズ、航続距離といった要件に合わせてさまざまなバッテリパックーを搭載可能です。 今後展開されるEVのラインナップは、このMEBプラットフォームを使用します。
ID .4では、一回の充電で最大500km走行できるバッテリーが採用されました。これはWLTP欧州燃費(電費)基準に基づく数値です。米国基準のEPA推定値では、これよりも低い数値になると予想されます。
VWは、この数値は「ドライブパッケージに依存する」と説明しています。これはつまり、ID .4に複数のバリエーション展開の可能性があることを示唆しています。これらのバリエーションは、パフォーマンスまたは価格のどちらの理由であれ、最大500kmを上限に低くなると思われます。
車内には完全にデジタル化されたコックピットを備えています。VWによると、このデジタルコクピットは主にタッチ操作と音声によってコントロールできるとのこと。
VWのEVドライバーを目指す人にとって、ID .4は特に注目に値する存在です。コンパクトモデルのID .3は2020年内に発売される予定ですが、ID.4の日本導入はもう少しあとになるでしょう。日本ではクロスオーバーSUVの人気が高まってきていることから、発売されれば大きな話題となるに違いありません。価格は未発表ですが、欧州と中国では2020年後半に販売されますので、年内には詳しいレビューなども確認できるでしょう。