SlashGear Japan

アマゾン、リビアンのEVがドライバーの生産性を高める?! デザインと機能を公開

米アマゾン・ドット・コムとそのパートナーである新興電気自動車(EV)メーカーのリビアンRivian)は、アメリカで2021年から予定されている配送用電動バンの運用に先立って、デザインやカスタム機能の詳細を公表しました。

EV10万台導入、アレクサ搭載の配送車

アマゾンは、アメリカのEVスタートアップメーカーのリビアンに二度投資しており、2030年までにEV10万台を導入することを目標にしています。リビアンのEVは、電動ピックアップトラック「R1T」や7人乗り3列シートの電動SUV「R1S」でも採用している「スケートボード」と呼ばれる自社開発のプラットフォームをベースにしています。これはバッテリー、電気モーター、ブレーキと制御システム、その他の基本的な技術をモジュール化したもので、その上に様々な車体スタイルを加えることができます。

アマゾンは「柔軟性」を強く意識しています。たとえば、車体サイズやバッテリーサイズ、前輪駆動や全輪駆動といった車体の仕様は、様々な走行ルートの道路状況作業負荷によって選択できるようにしています。また、内部には、音声アシスタント機能「Alexa(アレクサ)」を利用したダッシュボードもあります。

貨物スペースでは音声コマンドがサポートされ、ハンズフリーで操作できるようになっています。運転席側はヒンジドア、助手席側はスライドドア、後部はリアシャッター扉があり、助手席を折りたたむことで貨物スペースへの移動もよりスムーズに。

アマゾンによると、温度制御された座席のほか、ステアリングヒーターアームレストヒーターが用意され、シートベルトと肘掛けは自動的に「ドライバーの大きさと重さに合わせる」ようになっています。
標準装備は、自動緊急ブレーキ車線維持アシスト歩行者警報システム交通標識認識ドライバーの注意力散漫モニターです。

快適な「配達員」は、仕事も効率的に

VRヘッドセットを使った研修の様子

アマゾンとリビアンは、VRヘッドセットとフルサイズのバンのモックアップを使って、ドライバーにコンセプトを説明。フィードバックを得るとともに実際の配達に応じて、現在の車両に何が問題になっているかを確認しています。研修では、マンションや会社など人口が密集している場所に配送する場合に、荷物をどのように扱うかも説明しています。たとえば、配送用のジッパー付き肩がけトートバックは、スペースを最小限にするために折り畳むことができ、積み重ねることもできます

トートバッグの側面は半透明。耐候性にも優れていて機能的
ドライバーの持ち物と配送荷物を分離して安全に管理できる

ドライバーの持ち物を安全に管理することもしっかりと考えられています。折りたたみ式の収納ケースは照明付きで中が見やすく、リュックサックやハンドバッグを入れことができ、お弁当のための保冷ボックスもあります。

ARを使った構想

また、アマゾンは拡張現実 (AR) システムの可能性も模索しています。ARを使えばルートナビゲーションの指示を与えるだけでなく、たとえば、顧客が荷物をどこに置きたいか犬のような潜在的な危険が存在するかなどを示すことも可能になるかもしれません。

ドライバーや配送業者を喜ばせる自動車をデザインすることは、EVの名声だけではなく、明らかにアマゾンに利点があります。なぜなら、快適な環境下で働く「配達員」はより仕事が効率的になり、生産性が高まる傾向があるからです。そして最終的には、アマゾンのサービス向上にもつながるのです。