公共の電気自動車(EV)充電ステーションの普及が進む中、EV充電インフラを手掛ける米国の「Electrify America(エレクトリファイ・アメリカ)社は、より良いEV充電の方法、そしてより効率的な方法を目指し、2023年末までにアメリカ全土に150基の改良型バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)を展開する計画を明らかにしました。
また、エレクトリファイ・アメリカは、大人数が一度に快適に利用できる「次世代」施設を発表しました。これは、スーパーマーケットなどの駐車場にあるEV充電器のような、既存の多くの充電スポットから大幅に進歩したものです。
米国では、徐々にではありますが、EVが着実に普及しつつあります。しかし、従来のガソリン車からEVへの乗り換えを検討する際に、最も懸念されることのひとつが、充電の頻度ではないでしょうか。一般的な家庭で、テスラのリチウム電池を一晩で満たすだけの電力を供給することができますが、外出先でEVを充電するのは、スマートフォンの充電のようにスマートフォンを充電器に繋ぎ、充電器をコンセントに挿すという簡単なことではありません。ガソリンやディーゼルで走る車や、ハイブリッド車とは異なり、EVは、充電がきれてしまえば走ることができなくなるので、外出先での充電の手軽さは、EVユーザーにとって非常に関心が高い項目の一つです。
「次世代」の自動車充電体験を提供
エレクトリファイ・アメリカは、既存の充電スポット150カ所をオンサイトバッテリーでアップグレードするほか、独自の「チャージング・ラウンジ」を展開し、「次世代」の充電体験を提供しています。このラウンジでは、その都市の特徴や景観に合わせたデザインの待合室が備わるそうです。
さらに、チャージング・ラウンジは、20基の充電コンセント、座席、車両展示、専用イベントスペース、さらには専用の警備員まで備えており、従来のガソリンスタンドよりもはるかにスケールアップされた空間になるようです。こういったEV充電ステーションの充実は、ガソリン車からEVへの乗り換えを迷っているユーザーを後押しするでしょう。
同社はまた、米国内にある既存のステーション100カ所に、最大500個のソーラーキャノピーを設置する計画です。エレクトリファイ・アメリカは、「ソーラーキャノピーは、日よけや風除けになるだけでなく、ステーション運営の電力として利用される」と述べています。
エレクトリファイ・アメリカのアップグレードされた充電施設(「チャージング・ラウンジ」他)は、カリフォルニアとニューヨークの主要都市部に設置されます。カリフォルニアの施設は、サンタバーバラ、サンフランシスコ、サンディエゴ、ビバリーヒルズに、一方、ニューヨーク市を拠点とする最初の施設は、マンハッタンとブルックリンに設置される予定です。