Stellantis(ステランティス)は、新戦略「Dare Forward 2030」を発表しました。2038年までにカーボンネットゼロを達成することを目指し、傘下のジープは、2023年初頭にブランド初となるバッテリー式電気自動車(BEV)を発売することを明かしました。
ステランティスは、今後10年以内にヨーロッパでの販売台数の100%をBEVにすることを目標とし、また、10年後までに米国での販売台数の半分をBEVにすることも目標として掲げました。
マセラティ、アルファロメオ、ジープ、ダッジ、ラム、クライスラー、フィアットのうち、現在米国市場で提供されているEVモデルは片手で数えるほどと、ステランティスブランド車のEVモデルの選択肢は多くはありません。
ジープには、プラグインハイブリッド車(PHEV)である「ラングラー4xe」と、発売が間近に迫った「グランドチェロキー4xe」があります。クライスラーは、PHEVミニバン「パシフィカ・ハイブリッド」を発売しています。フィアットの「500e」は、ヨーロッパでは最新版を販売しているものの、アメリカでは販売終了しています。
この先、マセラティはEVモデルのスーパーカー「MC20」を追加する予定で、ラムからは「ラム1500」BEVが登場することが確認されています。とはいえ、2030年までに米国で25モデル以上のBEVを導入するという目標は、野心的と言えるでしょう。
「Dare Forward 2030」の第一段階となるジープ初の100%BEVは、2023年初頭に登場する予定です。「Compass (コンパス)」に似たジープのこのEVには、ラングラー4xeと同様、青い「e」ロゴがグリルに装着されています。
航続距離、充電能力、パワー、価格などの詳細な情報は現在のところ発表されていません。ジープが長年にわたってSUVの「どこへも行ける」性質を強調してきたことを考えると、たとえグランドワゴニアのように、アスファルトを離れてトレイルに出ることがあまりないような車でも、ある程度の全輪駆動能力を発揮するでしょう。しかし、ジープはより手頃な価格の2WDバージョンのBEVを提供する可能性が高いです。
ステランティスによると、2024年以降、ラム、ジープ、ダッジが発売する、大型トラックを除くすべてのモデルには、少なくともBEVバージョンが用意されることになるそうです。ラムの商用バンでは、2023年のラム・プロマスターBEVが追加され、2024年には、Ram 1500 BEVピックアップがデビューする予定です。
クライスラーでは、2025年から新たに発表されるファミリーカーで、少なくともBEVバージョンが登場します。クライスラーは、この2025年に発表されるファミリーカーが、1月のCES 2022で発表した「クライスラー エアフローコンセプト」の形で登場することを濃厚に匂わせました。
エアフローコンセプトは、SUVとファストバックの中間に位置する流麗な4ドアで、他のEVに見られるような過激なスタイリングは控えています。その代わりに、クライスラーは、使いやすさ、高級感あふれるキャビンと、航続距離563〜645kmを達成するデュアルモータープラットフォームに焦点を当てました。クライスラーはより進化したエアフローコンセプトも実現可能だと語っています。