航空機 キャンピングトレーラー「Airstream(エアストリーム)」の製造メーカーThor Industries(ソア インダストリーズ)は、eStreamコンセプトと呼ばれる電動キャンピングカーを発表しました。ハイテクAirstreamと呼びたくなるeStreamコンセプトには、キャンパーライフを快適に過ごすためのイノベーションが搭載されています。
Airstream eStreamコンセプトを間違いを恐れずに簡単に表現すると、『キャンピングカーと電気自動車を一体化したもの』でしょう。ドイツの部品メーカーZF社と共同開発した電動パワートレインを搭載し、なんと、スマートフォンやタブレットを使って遠隔操作で移動が可能。
Thor Industriesのチーフ・イノベーション・オフィサーであるJosef Hjelmaker(ヨーゼフ・ヒェルメーカー)氏は「ZF社と共同開発したこの技術は、トレーラーと牽引車の同調関係を作り出し、トレーラーが牽引車とハーモニーを織りなして動き、牽引の負担を低減できます。」と語っています。
eStreamコンセプトは、各ホイールに2基の電気モーターを搭載し、合計242馬力と179Nmのトルクを発揮します。ガソリンエンジンまたは電気駆動の牽引車なしではeStreamを運転できませんが、電気駆動軸は牽引車の燃料やエネルギーを節約するのに役立ちます。MOVE機能により、牽引車から切り離しても短距離であれば自力で移動が可能です。
eStreamの先進的な電気アーキテクチャにより、回生ブレーキによるバッテリーパックのトリクル充電を可能にし、航続距離や燃費に貢献。また、左右どちらの車輪にも電力やブレーキ力を加えることができるため、重量配分やコーナリング時の安定性が向上します。
モーターの電力は、80kWhのバッテリーパックから供給されています。搭載されたバッテリーと900Wのソーラーパネルを組み合わせれば、約2週間分の電力を自給することができます。バッテリーは、モーターへの電力供給のほか、スマートホームのように音声で作動する照明や空調コントロールなど、eStreamコンセプトのハイテクガジェットにも電力を供給します。
Thor Industriesは、eStreamコンセプトの他に 、Thor Vision Vehicle(TVV)コンセプトを発表しました。TVVはフォード・トランジットのアーキテクチャを利用し、eStreamと同様のZF電動パワートレインを搭載しています。eStreamコンセプトより大きなバッテリーパックを搭載し、航続距離は約483kmと謳われています。また、米自動車会社のRoushが開発した水素燃料バッテリーを搭載し、モーター、バッテリー、そしてオフグリッド時のTVV全体に電力を供給します。
eStreamとTVVはまだコンセプトの段階ですが、どちらも製品化はそう遠くないと見られています。詳細な仕様や発売時期以上に気になる価格に関しても、現時点では情報はありませんが、基本価格が抑えられれば、自走式キャンピングカーを手に入れようとする人が続出することは間違いないでしょう。