ポールスター社は、デュアルモーター搭載のロングレンジモデル「Polestar 2(ポールスター2)」の全モデルを対象に、OTAアップデートを公開しました。このアップデートは、電気自動車のパフォーマンスを向上させるためのもので、馬力と加速がパワーアップします。
ポールスター社は、これまでにもPolestar 2のソフトウェアアップデートを多数公開していますが、そのほとんどが利便性向上や航続距離・充電量の改善に関わるものでした。OTAによるチューニングはポールスター社として初めてのケースです。ポールスター社は、BMWのM部門やメルセデスAMGのように、ボルボのチューニング部門として1996年に誕生した北欧スウェーデンを拠点とするEVメーカーです。
さて、今回のパフォーマンスアップデートの中身はどのようなものなのでしょうか。最高出力が67馬力、最大トルクが約20Nm向上し、最高出力は470馬力、最大トルクは681Nmになりました。さらに、より軽快な加速を実現し、ポールスター社によると、0-100km/hまでの加速は、従来の4.7秒から4.4秒に短縮されています。
しかもこの嬉しいアップデートは、画面を数回タップするだけで車両にダウンロードが完了するのです。昨年、SlashGear編集長のクリス・デイヴィスがPolestar 2に試乗した際に、「電気自動車のモーターが出すような、耳障りな悲鳴ではなく、満足のいく鼓動感を伴った瞬間的なトルクの波が病みつきになる」と称賛の言葉を述べていました。今回のソフトウェアアップデートでは、EVのグランドツーリングの可能性をさらにスパイスアップさせるアップデートです。
さらに嬉しいことに、ポールスター社によると、今回のパフォーマンスアップデートによる航続距離やエネルギー消費に対する影響はないそうです。78kWhのバッテリーを搭載したPolestar 2ロングレンジデュアルモーターは、EPA(米国環境保護庁)サイクルで375kmの航続距離を達成しています。また、11kWのオンボード充電器を搭載し、最大150kWのDC急速充電にも対応し、0%から80%までを約40分で完了します。
と、ここまでは嬉しいことだらけですが、Polestar 2のパフォーマンスソフトウェアアップグレードは、残念ながら無料ではないという嬉しくない事実も。OTAの提供価格は、約1,000ユーロ(約13万円)からとなっており、現在、英国、ノルウェー、オランダ、スウェーデン、スイス、デンマーク、ドイツ、オーストリア、フィンランドなどの欧州でダウンロードが可能です。一方、カナダと米国のユーザーは、来年初頭からOTAアップデートを利用することができます