ボルボは、老朽化したエアバッグが事故の際に乗員に致命的な影響を及ぼす恐れがあるとして、世界各国で46万台以上のリコールを発表しました。そのうち、半数以上の約26万台が米国内を対象としており、現行ラインナップではなく旧型車が対象となります。
ボルボはNHTSA(米道路交通安全局)に対し、「運転席用エアバッグのインフレータは、高湿と高温に長期間さらされると、推進剤が劣化し、展開中に爆発する可能性がある」と報告しました。インフレータの爆発により、鋭利な金属片がドライバーや乗員にあたり、被害を及ぼすリスクがあるとのことです。
対象となる車両は、2001~2009年モデルの『S60』および2001~2006年モデルの『S80』です。
エアバッグは、衝突時にステアリングホイールやダッシュボードなどから迅速に展開するために、インフレータの推進剤を利用しています。推進剤は通常、タブレットやペレット状になっていますが、湿気や温度の変化により、時間の経過とともに劣化していきます。その結果、表面に粉塵が付着し、燃焼面積が増加して燃焼速度が速くなります。
燃焼速度が速くなると燃焼室の圧力が高まり、爆発力が変化し、インフレータなどの部品の破片が乗員に飛び散る可能性があります。ボルボとインフレータメーカーのZF社は、この調査結果を元に古いインフレータを最新のものと交換することになりました。