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充電中に出火の恐怖… 欠陥バッテリーで火災多発のEV、生産停止に

シボレーの小型車『ボルトEV』で、車両火災が多発しています。親会社のGMは、バッテリーの欠陥が火災の原因であるとして、ボルトEVの生産を一時中止しました。半導体の不足も相まって、少なくとも10月中旬まで組立工場の操業を停止する見込みです。これまでのところ、GMは3度に渡ってリコールを発表していますが、バッテリー本体の交換には着手しておらず、対策はユーザーの手に委ねられています。

GMによると、このバッテリーには1つ、または場合によって2つの欠陥があるとされています。最近では、ジョージア州チェロキー郡の住宅で、2019年型のボルトEVがガレージ内で充電中に出火しました。郡の消防隊が現場に駆けつけると、住宅のガレージ内から煙が出ていました。煙はボルトEVから出ており、消防隊員が外に引き出して消火活動を行いました。

画像にあるように、ボルトEVは大きなダメージを受けました。消防隊員によると、ガレージとその中に停められていた2017年型のラムトラックもダメージを受けたとのこと。幸運なことに、ガレージに併設された住宅への延焼は免れました。

今回の火災を受けてGMは、バッテリーが自然発火した場合の延焼リスクを軽減するために、ボルトEVの所有者に対して、他のクルマや構造物から少なくとも50フィート(約15m)離して保管するよう呼びかけています。ですが、EVを構造物から50フィート離れた場所に駐車すると、多くの場合、充電ができなくなるという現実的な問題があります。

GMは、欠陥のあるバッテリーのリコールにすでに18億ドル(約2,000億円)を費やしており、今後も増加する可能性があります。同社によると、バッテリーの製造元であるLG化学から多くの資金を回収できるとのこと。バッテリーの欠陥に関連した火災は、これまでに10件確認されています。しかしGMは、火災はまれであると主張し続けています。