Von Mercier社が開発した『Arosa』は、クルマではなく、世界初のスポーツ・ラグジュアリー・ホバークラフトを目指しています。モーガンの『3ホイーラー』のような2人乗りの3輪ロードスターに似ていますが、水陸両用のボートなのです。
新型Arosaは、約18cmのエアクッションの上を移動します。つまり、路面から浮いている状態なので、草地や泥地、砂地などを走ることができます。高度な方向制御システムを備え、止まる、曲がる、後退する、進むなどの操作を簡単に行うことができ、優れた操縦性を発揮するとのこと。ホバークラフトは操縦性が悪いことで知られていますが、Von Mercier社の特許取得済みの方向制御システムはその不安を解消してくれるでしょう。
パワートレインは、ガソリンエンジンと3基の電気モーターで構成されるハイブリッドシステムです。ガソリンエンジンで発電してモーターを駆動し、バッテリーで蓄電します。Von Mercier社では、最高速度は130km/h程度、航続距離は約190kmとしています。スーパーカーほど速くはありませんが、水陸両用車としては十分に高速です。
ジェット戦闘機のようにタンデム式の座席を備えたオープンコックピットを持っています。エアコンは付いていませんが、モモのステアリングホイール、ペダル、デジタルダッシュボードが装備されています。また、ボートのようなサイドデッキが付いているので、人を乗せることも可能です。
Von Mercier社はArosaを50台製造する予定で、価格は10万ドル(約1100万円)からとなっています。公道を走ることができるかどうかは国・地域によって異なりますが、ホバークラフトは一般的にボートに分類されるため、基本的には難しいでしょう。ですが、田園地帯を走り回ることは誰にも止められません。