フォードは、2021年7月から8月にかけて、一部モデルの生産を停止すると発表しました。対象となるのはピックアップトラックの『F-150』、『レンジャー』、SUVの『エクスプローラー』と、『ブロンコ』です。今年に入ってから半導体の供給不足により生産調整を余儀なくされていましたが、さらに問題が発生し、生産に支障をきたす可能性があるとされています。
フォード・ブロンコは、かつてクロカン車の代名詞だった「ブロンコ」の名を数十年ぶりに復活させた注目のモデルで、6月中旬に生産が開始されたばかりでした。生産に影響を与える問題について、具体的な説明はなされていませんが、半導体とは「無関係の部品不足」であると言われています。
フォードはパンデミックと半導体不足により、合計8か所の工場(うち6か所が米国内に所在)が影響を受けています。同社は以前、半導体不足によって2021年第2四半期の生産量の約50%低下する可能性があるとの見方を示していました。それが今では、2021年第3四半期にまで拡大しています。
長年のベストセラーでありながら、現在ディーラーでは在庫が少なくなっているF-150は、7月12日から減産されることになりました。F-150を生産しているディアボーン・トラック工場では、3週間にわたり、少人数体制での操業となります。
イリノイ州のシカゴ組立工場で生産されているSUVのエクスプローラーとリンカーン『ノーチラス』は、さらに長期間にわたって生産が停止され、8月2日に再開した際にも減産を余儀なくされるとのこと。
現在、都市型クロスオーバーのブロンコ・スポーツを生産しているメキシコのエルモシージョ工場は、7月12日と7月19日の週に生産体制を縮小。これにより、最近発表されたばかりの新型小型ピックアップトラック『マーベリック』の生産にも影響が出ます。
その他にも、フォード『マスタング』、『エッジ』、『エスケープ』、『エクスペディション』、『トランジット』、そして高級車ブランドであるリンカーンの『ナビゲーター』、『コルセア』が影響を受けるとされています。
フォードをはじめとする自動車メーカーが、こうした部品不足からいつ解放されるかは不明です。フォードは以前、部品不足により25億ドル(約2,790億円)の収益悪化を招く可能性があるとしており、販売が好調であるにもかかわらず、ディーラーは在庫数確保に苦労しています。
この記事は、スラッシュギアジャパン編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
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