ホンダ、新型電動SUV『プロローグ』 車名公開 2024年北米で発売予定

ホンダが北米市場に投入する初のEVは、『プロローグ』という名のSUVになることが明らかになりました。発売は2024年を予定。『ホンダe』が導入されていない北米では、同社初の完全EVとなります。ホンダは2030年までに、北米での販売台数の40%をEVまたはFCV(水素燃料電池車)にすることを目標としています。

2040年には全数をEVまたはFCVとし、エンジン車の完全廃止を目指します。さらに2050年までには、製品と企業活動の両方でカーボン・ニュートラルを実現するとしています。

かなり野心的な目標ですが、現在の北米ホンダのラインナップを見る限り、実際に達成できるとは思えません。米国とカナダで販売されている車種の中に、EVは1台もありません。少し前まで、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)とFCV、そして完全EVの『クラリティ』が販売されていましたが、台数が振るわず廃止が決定しています。

そこでホンダが必要としているのは、実際に売れるEVであり、それがプロローグなのです。プロローグは、GMとの提携によりGMのEV用プラットフォーム「アルティウム」をベースに開発されますが、走りの特性やデザインを決めるのはホンダです。

ホンダが公開した『プロローグ』のロゴ

アメリカン・ホンダの副社長であるデイブ・ガードナーは、「プロローグは、お客様がホンダに期待する優れた機能性とパッケージングを備えたバッテリー駆動のSUVになる」と述べています。ホンダによると、プロローグは「現在の頑丈なSUVのラインナップと同等の多機能性と航続距離」を備えているとのことです。

詳細は今後数か月で明らかになる予定ですが、実際にプロローグが米国とカナダのディーラーに入荷されるのは2024年初頭となります。一方、この年には、同じくGM製プラットフォームを使用した電動SUVがアキュラブランドからも登場します。その車名はまだ公開されていませんが、プロローグよりもアグレッシブなスタイルで、パフォーマンスを重視することが予想されます。

両モデルはGMとの提携により実現するモデルですが、ホンダはすべてのEVをGM製プラットフォームに載せるわけではありません。ホンダ車のためのまったく新しいプラットフォーム、「e:Architecture」の開発が独自で行われているのです。今年後半には同プラットフォームを採用したモデルを発表する予定で、北米市場から他の地域にも展開していきます。

GMのEV用プラットフォーム「アルティウム」。GM傘下のキャデラックなどで幅広く採用される予定。

電動SUVの登場は他社に比べて出遅れていると言わざるを得ませんが、その分、メリットもあります。GMのアルティウム計画では、より安価で高出力のEV用バッテリーを開発し、EVの価格帯を従来のエンジン車と同等にすることを目指しています。アルティウム採用モデルとしては、GMC『ハマーEV』がまもなく登場しますが、これは決して安いクルマではありません。プロローグが登場する2024年には、アルティウムももう少し安くなることが期待されています。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です