世界中の自動車メーカーやレーサーがコロラドスプリングスに集結し、山を駆け上がるレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」が間もなく開催されます。2021年の同イベントに参加する多くのメーカーの中に、アキュラの名が並んでます。アキュラは、高級SUV『MDX』のスポーツ仕様である「タイプS」をレースチームの牽引車として導入すると発表しました。
アキュラは、第99回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに、4台のレーシングマシンを投入します。マシンはすべて市販車ベースで、6月27日にパイクスピークに登り、全長約20km、156ターンの難コースに挑戦します。
ヒルクライムは、自動車メーカーが参加できるレースの中でも最も危険なものの1つで、これまでにもマシンが大破したり、参加者が死亡する事故が発生したりしています。クルマだけでなくバイクも参加する同レースでは、ライダーの事故も数多く発生しています。
アキュラのMDXタイプSは、レースに直接参加するのではなく、出走予定のスポーツセダン『TLXタイプS』の1台をオハイオ州ブレーメンのチームショップからコロラド州パイクスピークまで牽引します。また、大会期間中はチームのサポートにも使用される予定です。
MDXタイプSは、標準モデルのMDXにターボエンジンを搭載した高性能バージョンです。アキュラのSUVとしては初めてタイプSのバッジを冠し、同ブランドがこれまでに製造したSUVの中で最も速く、最もパワフルなモデルとされています。米国での発売は今年の後半を予定していますが、今のところ性能や仕様の詳細については明らかになっていません。
アキュラは過去のヒルクライムで好成績を収めており、現在、ハイブリッド車のカテゴリーでは、昨年タイムアタックを行った『NSX』のドライバー、ジェームス・ロビンソンの10分48秒094が最速記録とされています。また、オープン部門では、『TLX GT』を駆るピーター・カニンガムが記録した9分24秒433を保持しています。