フォード、小型ピックアップトラック『マーベリック』発表 小さくても使い勝手良し

フォードによると、2022年に発売される新型『マーベリック(Maverick)』は、今までトラックが欲しいと思っていなかった人たちのためのトラックであるとのこと。8日に発表されたこのモデルは、『F-150』と『レンジャー』の弟分となる小型ピックアップトラックで、古典的な「マーベリック」の名を承継しています。

これまでマーベリック(またはマベリック)の名は、コンパクトカーやSUVに付けられてきました。新型マーベリックは、ハイブリッドシステムを標準搭載しており、フォードによれば、ピックアップトラックで最も燃費の良いモデルになるそうです。

新型フォード『マーベリック』

2.5Lのアトキンソンサイクル4気筒エンジンは、自社製の電気モーターと組み合わされて合計191hpと240Nmのトルクを発揮。トランスミッションには無段変速機を採用し、前輪を駆動します。燃料満タンで805kmの走行が可能なほか、680kgの積載量と最大900kgの牽引力を誇ります。

また、最高出力250hp、最大トルク375Nmを発揮する非ハイブリッドの2.0Lガソリンエンジン「エコブースト」搭載モデルも設定。トランスミッションは8速ATで、駆動方式は前輪駆動と後輪駆動が用意されます。牽引力は標準モデルと同じ900kgですが、「4Kトウ・パッケージ」を装着することで、最大1,800kgの牽引が可能になります。

新型フォード『マーベリック』

外観は、新旧が融合したデザインとなっています。サイドウィンドウは上位車種のF-150を意識したもので、標準装備のLEDヘッドランプと大胆なグリルデザインが特徴です。グレードは「XL」、「XLT」、「ラリアット」の3種類で、全輪駆動のXLTとラリアットにはオプションで、オフロード仕様の「FX4パッケージ」が用意されます。

FX4パッケージでは、オールテレインタイヤ、サスペンション強化、アンダーボディプロテクションのほか、5種類のドライブモード(ノーマル/エコ/スポーツ/スリッパリー/トウ&ハル)にマッド/ラット/サンドを追加し、ヒルディセントコントロールも装備しています。

荷台は長さ137cmとコンパクトですが、フォードは使い勝手が制限されることはないとしています。「フレックスベッド(FLEXBED)」と名付けられたこの荷台は、ゾーンごとに分割したり、積載物に合わせて調整できるように設計されています。2×4や2×6の木材がすっぽりはまるスロットや、タイダウン、Dリング、ネジ穴などを備え、自転車やカヤックなどを固定することが可能です。

DIYでのカスタマイズや屋外作業も念頭に置いており、例えば車内と荷台には12V、120V、400Wの電源コンセントが装備されているほか、収納スペースやボールヒッチ用の部品も備わっています。テールゲートを降ろすと、荷台長は183cmになります(耐荷重230kg)。

ずっしりとした見た目とは裏腹に、実際の寸法は意外とコンパクトです。大型のF-150が全長5,885mm、全高1,920mm、中型のレンジャーが全長5,354mm、全高1,805mmであるのに対し、マーベリックは全長5,072mm、全高1,745mmとなっています。

新型フォード『マーベリック』

車内では、Apple CarPlay/Android Autoを搭載した8インチのインフォテインメント・タッチスクリーンや、4G LTEモデムと最大10台のデバイスをサポートするWiFiホットスポットを標準装備。スマートフォンのワイヤレス充電器や8スピーカーのB&Oオーディオシステムもオプション設定。再生素材のカーボンファイバーや、石のような見た目の合成素材を使用するなど、インテリアの質感にもこだわっています。

収納も充実しています。ドアアームレストは1Lのペットボトルが入る形状となっており、ドアポケットにはタブレットやノートPCが入ります。後部座席には、フックやカップホルダーなどのさまざまなパーツを取り付けることができるFITS(Ford Integrated Tether System)が装備されています。

また、センターコンソールの背面にもFITSが設けられていますが、フォードは、3Dプリンターで所有者オリジナルのアクセサリーを製作できるよう、FITSの形状を公開する予定だと述べています。

安全面では、運転支援システムの「コ・パイロット360」を標準装備。オプションとして、アダプティブ・クルーズ・コントロール、ブラインド・スポット・ワーニング、クロス・トラフィック・アラート、レーン・センタリング、操舵回避支援システムが用意されています。

新型マーベリックは今秋米国で発売予定で、8日から予約受付を開始しています。価格は19,995ドル(218万円)からとなっています。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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