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テスラを超えたい新興企業、渾身のインフォテインメント発表 人間工学に基づいた設計

米国のEVメーカー、ルーシッド・モータースは、新型『エア』に34インチの5K解像度の曲面ディスプレイなどを採用していますが、これまでその詳細は明らかにされてきませんでした。今年後半の納車開始を目指しているルーシッドは、ますます競争が激しくなる高級EVセグメントでの地位を確保するため、独自性と優位性のアピールを急いでいます。

ルシードにとっては、時間が勝負です。ライバルのテスラ『モデルS』は、いまやハイエンドの高級EVを定義するようなクルマとなっており、来月には、ハイパーカーに匹敵する性能を持つ最上位モデル「プレイド(Plaid)」の納車も開始されます。

ルーシッド『エア』のインテリア

その一方で、既存の自動車メーカーが独自の高級EVを準備しているのも事実です。メルセデス・ベンツ『Sクラス』のEVバージョンである新型『EQS』のほか、アウディやBMWなども次々と新型車を発表しています。そうしたハイエンドモデルでは、大きなダッシュボード・ディスプレイや、高度なインフォテイメント・システムが当たり前のように採用されています。

そんな中で、ルーシッドは自分たちが優位性を声高に主張しています。新型エアのダッシュボードに広がる巨大なメインディスプレイ「グラスコックピット」と、小型の操作用タッチスクリーン「パイロットパネル」には、独特の操作性が備わっているといいます。

例えば、上部のディスプレイに表示されたメニューをセンターコンソールのタッチスクリーンにスワイプすると、より多くのメニューが表示されるといった、人間工学に基づいた機能が採用されています。パイロットパネルの後ろにある隠し収納など、機能的な工夫もあります。さらに、21個のスピーカーを用いたオーディオシステムにドルビー「アトモス」を搭載。シートベルトの警告音などを該当する方向から発し、感覚的な認知度を高めます。

「ルーシッドUX」と名付けられたソフトウェアは、Android Auto / Apple CarPlayのほか、アレクサによる音声コマンド、SpotifyやiHeartRadioなどの音楽ストリーミングサービスにも対応しています。携帯電話のデータやWiFiを利用してメディアを視聴できるだけでなく、無線アップデート機能も実装しています。

ルーシッドUX(ユーザー・エクスペリエンス)の紹介映像。 ※ルーシッド公式YouTubeチャンネルより

ルーシッドは、先進運転支援システム(ADAS)である「ドリーム・ドライブ」に新機能を追加するため、これらのデータを利用する予定です。最終的には、エアでも何らかの形で自動運転を実現するとしていますが、その時期は明らかにされていません。