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陸と空の王者が激突!3億円超の超高級車VSジェット戦闘機 勝つのはどちらか

ブガッティと航空史には深いつながりがあります。第二次世界大戦前、エットーレ・ブガッティは、速度記録を更新するための新しい航空機を開発していました。空に対するブガッティの夢は、ヴィンテージ風のデザインをふんだんに盛り込んだ超限定モデル、『シロン・レ・レジェンド・デュ・シエル』(空の伝説)を生み出しました。

地底人でもない限り、シロンが超高速スーパーカーであることはご存知でしょう。しかし、フランス海軍の主力戦闘機であるダッソー『ラファール・マリーン』と比較するとどうでしょうか?12年前の「Top Gear」(英BBCのテレビ番組)では、『ヴェイロン』が『ユーロファイター・タイフーン』とレースをして、後者が勝利しました。しかし、空の伝説とフランス海軍の誇りとの戦いは、どちらが勝つのでしょうか?

超高級車ブガッティ『シロン』の限定モデルと、フランス海軍主力戦闘機『ラファール』の一騎打ち。どちらもフランス生まれ。

ブガッティはシロン・レ・レジェンド・デュ・シエルを20台のみ製造しており、価格は約340万ドル(3億7,000万円)です。過去と現在をつなぐスーパーカーとして、それに見合う8.0L W16クワッドターボエンジンが搭載されています。1,479馬力と1,600Nmのトルクを発揮し、航空機のように走ります。

また、マットグレーのボディ、サイドシルに施された青、白、赤のトリコロールカラー、車名の「Les Legendes du Ciel」のレタリングが施されたアルミニウム製ドアシルパネルなど、航空機にインスパイアされたデザインタッチが採用されています。

限定モデル『シロン・レ・レジェンド・デュ・シエル』は、航空機にインスパイアされたディテールが施されている。

インテリアでは、ガウチョレザーのシートや、レトロな航空機を彷彿とさせるアルミニウムのインレイが添えられています。センターコンソールやシートのヘッドレストなどには、プロペラや航空機のロゴが施されているほか、ドアパネルには、ブガッティ『タイプ13』と『ニューポール17』のスケッチが描かれています。

7速DCTを介して4輪にパワーを伝達し、0-97km/h加速は約2.5秒、0-200km/h加速は約6.5秒、最高速度400km/hまで32秒以下で到達します。クルマとしては圧倒的なパフォーマンスです。

一方のダッソー・ラファールは、2001年にフランス軍に正式採用された多用途戦闘機です。2基のジェットエンジンを搭載し、革新的な無尾翼のデルタ型中翼構造とカナード翼を備えています。短距離での離陸が可能で、最高速度はマッハ1.6(1,975km/h)を誇ります。

英国の某人気テレビ番組の企画を彷彿とさせる一大レース。 ブガッティ公式YouTubeチャンネルより

フランスを代表する2つのアイコンには、不思議なことに多くの共通点があります。ブガッティ『ヴェイロン16.4』は、ラファールの採用とほぼ同時期の2001年に登場しました。また、ラファールのブレーキはメッサー・ブガッティ(イタリアのブレーキメーカー)の提供によるものでした。

ブガッティとのレースに挑むラファールを操縦するパイロットは、「シロン・スポーツとラファール・マリーンは、どちらも絶対的なハイテク製品で、情熱と精密さを持って製造されており、美しく、信じられないほどパワフルで速く、他にはない操縦と正確なブレーキが可能だ」と語っています。

さて、レースに勝ったのはどちらなのか?

もちろん、ジェット戦闘機が勝つでしょうが、映像を見る限りではかなりいい勝負を繰り広げたようです。歴史上、シロン・レ・レジェンド・デュ・シエルのように海軍機とタイマンをはれる市販車はそうそうありません。「海軍のパイロットにとって理想的な乗り物です」とラファールのパイロットは締めくくりました。