イタリアのブレーキメーカーであるブレンボ(brembo)は、今年で創立60周年を迎えたことを記念し、バイク用ブレーキキャリパーの『Gセッサンタ・コンセプト(G Sessanta Concept)』を発表しました。モビリティの未来を、ブレーキの視点から捉えた最新コンセプトです。
Gセッサンタ・コンセプトには、キャリパーのボディにLEDが内蔵されています。このLEDは、単なるデザイン性だけでなく、ドライバーとのコミュニケーション・インターフェースとしても機能します。ブレンボの広報担当者によると、「このライトは、ブレンボのカラーリングをさらに高いレベルに引き上げ、新たな価値を与える」とのこと。
Gセッサンタの核となるのは、ワイヤレスの通信システムです。スマートフォンと接続して、色や照明パターンを好みに合わせて調整可能なほか、ブレーキパッドの交換時期などを知らせる機能も備わっています。また、駐車場で自分のバイクを探す際には、キャリパーを発光させて見つけやすくすることもできます。
イタリアのパラディーナに拠点を置くブレンボは、1961年の設立以来、ブレーキ技術の新しい基準を打ち立ててきました。1970年代からはモトグッツィのサプライヤーになったり、フェラーリのF1マシンに採用されたりするなど、50年以上にわたって高級ブランドやモータースポーツで活躍。ブレーキメーカーとしての地位を確立し、クルマやバイク好きなら一度はその名を聞いたことがあるブランドへと成長しました。
キャデラックのスポーツセダン『CT5-Vブラックウイング』にオプション設定されているブレンボ製カーボンセラミックブレーキは、銅を使用しないブレーキパッドと、ブレーキパッドの厚さを監視する電子センサーを備えており、さらに鋳鉄製のブレーキに比べて29kgも軽量化されています。
今回発表されたGセッサンタ・コンセプトはバイク用ですが、四輪車にも採用されるかどうかは不明です。照明や通信機能がクルマのブレーキにどのような進化をもたらすのか、興味深いところでもあります。