フェラーリは、2025年に新型EVを発表することを明らかにしました。フェラーリはこれまでにもプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を発売していますが、完全EVは今回が初となります。
フェラーリの会長兼CEO代理であるジョン・エルカンは、年次総会の挨拶の中で次のように述べています。
「わたし達は、非常に規律ある方法で電動化戦略を実行し続けています。そして、これらの技術をモータースポーツとロードカーの両方に応用するというわたし達の解釈は、フェラーリのユニークさと情熱を新しい世代に伝えるための大きなチャンスとなります」
「当然のことながら、わたし達は高いハードルを設定することから始めました。モーターレースで培ったノウハウを活用して、ハイブリッドカーである『SF90ストラダーレ』と『SF90スパイダー』という素晴らしい技術的成果とドライビングエクスペリエンスを生み出しました。両モデルは、スタイリングとパフォーマンスの両方において、フェラーリの最高の伝統を受け継いでいます」
当然のことながら、他のハイブリッド・パフォーマンスカーと同様に、フェラーリのPHEVにも魅力が多くあります。経済性を優先するのではなく、ガソリンと電気を併用することで、986馬力、800Nmのトルクを実現しています。しかし、搭載されている7.9kWhのリチウムイオンバッテリーでは、電気のみでの航続距離は決して長くなく、約25kmとされています。この点については、フェラーリ初のEVに期待したいところです。
エルカンは次のように語っています。
「わたし達はまた、2025年に発表予定の初のオールエレクトリック・フェラーリにも大いに期待しており、マラネロのエンジニアやデザイナーが思い描くような、当社の歴史の中で画期的なモデルになると確信しています。わたし達は、変化が加速するこのエキサイティングな10年間を、すべてにおいて卓越性と情熱の限界を新たなレベルに押し上げるための、より多くの方法を開くものと考えています」
EVの詳細については、まだ明らかになっていません。一方で、フェラーリ初のSUV『プロサングエ(仮称)』を計画していることがすでに明らかになっています。プロサングエは、フロントミッドエンジンのレイアウトを採用し、SUVセグメントで最速のモデルとなるとしています。
SUVは、一般的にサイズが大きく、重量が増えることが予想されるため、多くのメーカーで電動化の対象となっています。2022年に発表予定のプロサングエにも、PHEVが設定される可能性があります。
フェラーリのEVについては、テスラの新型『ロードスター』やロータス『エヴァイヤ』などがライバルとなるでしょう。一方、エルカンは年次総会で、2021年に3つのニューモデルが発表されると述べました。こちらも楽しみです。