荷台でキャンプも可能!米EVスタートアップ、カヌーが新型トラック発表

EV(電気自動車)のスタートアップ企業であるカヌー(Canoo)は、新型のピックアップトラックを公開しました。商用車市場のシェア獲得を目指すと同時に、プラットフォームの柔軟性の高さを実証することを目的としています。

カヌーは2019年後半に、7人乗りのEVをサブスクリプションで提供する計画を発表。2020年末には商用バンを初めて公開しました。このバンは、エッジの効いたスタイリングと豊富な実用性を兼ね備え、構成によっては最大370kmの航続距離を実現しています。

バンの後部をそのまま荷台にしたような、斬新なスタイル。

テスラ、リビアン、フォードなどと同様に、カヌーも米国で人気のあるピックアップトラック市場に狙いを定めています。今回発表されたモデルは、同社のバンのデザインに約180cmの荷台を融合させたように見えます。

荷台は床を引き出すことで8フィート(約2.4m)まで伸ばすことができます。この荷台とテールゲートドアを展開すると、4×8フィートのベニヤ板を平らに並べられるほどの広さになります。この状態でもテールランプやナンバープレートが見えるように設計されているほか、荷台の縁にはライトが設置され、夜間作業も容易にできるようになっています。

米国では、ピックアップトラックは商用目的だけでなく、乗用やレジャー用としても幅広く支持を集める。

フロントにはトランクがあり、コンセント付きの折り畳み式作業台が内蔵されています。荷台側面には、2段階の深さに調節可能なフリップダウンテーブルがあり、コンセントも装備。リアホイールアーチの前には隠しステップを設けています。このステップは、荷台やルーフラックへのアクセスが容易になるだけでなく、ノートPCや携帯電話、救急箱などの必需品を収納するストレージ(ロック可)としても機能します。

スケートボード型と呼ばれるフラット形状のプラットフォームを採用しており、電気モーター、ドライブ・バイ・ワイヤのステアリングおよびブレーキ、サスペンション、バッテリー、その他の電子機器を効率的に配置。デュアルモーターまたはシングルモーター(後輪)で、最高出力600馬力、最大トルク745Nmを発揮します。航続距離は320km以上、最大積載量は800kgになるとのこと。

ボディ側面には、工具やキャンプ用品などに電気を供給するコンセントが設置されています。カヌーによると、搭載されているバッテリーはこれらのアイテムを一日中作動させることができ、その後の航続距離への影響は10%程度にとどまるといいます。

オフロードを楽しむユーザー向けに、ポップアップテントをはじめとするキャンピングカーシェルも用意されています。フロントとリアのバンパーには牽引フックが内蔵されているほか、金属製のスキッドプレートも装備。2人乗りまたは4人乗りの構成が可能で、前者の場合はリアシートの部分が多目的なスペースになります。

EV仕様のピックアップトラックは、米国のスタートアップ企業にとって登竜門となっている。

価格などの詳細はまだ明らかになっていません。カヌーによれば、2021年の第2四半期に予約を開始する予定で、納車が始まるのは早くても2023年になるとのこと。その頃には、フォードから完全電動バージョンの『F-150』が登場し、リビアンの『R1T』も走っているはず。ほかにもテスラ『サイバートラック』やGMC『ハマーEV』など、数多くのEVピックアップトラックと競合することになるでしょう。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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