米新興企業のカルマ社は、新型のプラグイン・ハイブリッド『GS-6』を発表しました。高級スポーツセダン『リベロGT』の廉価モデルで、BMWの『i8』と同じ電動パワートレインを搭載しています。
カルマのランス・ジョウCEOは次のように述べています。
「カルマが目指しているのは、イノベーションを原動力としたハイエンドの高級車とテクノロジーを提供し、新しいユニークな製品でドライバーの野心を刺激すること。将来を見据え、高級EVをより身近なものにすることで、モビリティの世界を変えることができると信じている」
新型カルマGS-6の価格は約85,700ドル(899万円)から。決して「手頃な価格」ではありませんが、州と連邦政府の優遇措置を受けることができます。グレードはベースのGS-6、高級志向のGS-6L(LはLuxuryの略)、スポーツ仕様のGS-6Sの3種類。
搭載されているパワートレインは、BMW製1.5L 3気筒ガソリンターボエンジン。ただし、エンジンが直接ホイールを駆動するわけではなく、28kWhのバッテリーを充電する「発電機」の役割を果たします。バッテリーは床下に設置されており、リア搭載の2基の電気モーターを駆動。合計出力536馬力、746Nmのトルクを発生します。
電気のみの航続距離は約130kmですが、ガソリンエンジンを使用することで約580kmまで伸びます。0-97km/h加速は4.5秒、平均燃費は11.0km/lとされています。
GS-6はSAE J1772複合充電システムを搭載しており、レベル2の6.6kW充電器を使用すると、約4時間でバッテリーを満タンにすることができます。DC急速充電ステーションでは、35分以内に0~90%の充電が可能。回生ブレーキも備えており、減速時のエネルギーを回収します。
インテリアでは、10.2インチのインフォテインメント・タッチスクリーン、Apple CarPlay/Android Auto、デジタルメーター、8スピーカーおよびサブウーファー付きの630W 7.1チャンネルのオーディオシステム、Bi-LEDヘッドランプ、触覚フィードバックボタンを備えたステアリングホイール(ヒーター付き)などを標準装備しています。
カルマでセールス部門を担当しているヨースト・デ・フリース副社長は、次のように述べています。
「当社は、他のEVスタートアップではできないような、高級EVの設計、エンジニアリング、生産、販売、サービスを長年にわたって行ってきたことを誇りに思っている。GS-6は、手の届きやすい価格帯でありながら、豊富な標準装備や実用性を備えているため、より多くのユーザーにとって魅力的なモデルとなっているだろう」
一方で、カルマは『GSe-6』と呼ばれる完全EV仕様の登場も予告しました。同社初のEVとして今年後半にデビューする予定で、価格は約79,000ドル(829万円)からとなっています。
カルマはもともと、2007年に「フィスカー・オートモティブ」として設立されたEVメーカーです。一時期はテスラのライバルとも目された期待の新興企業でしたが、バッテリーの不具合を原因とするリコール問題で経営に行き詰まり、2013年に経営破綻。その後、中国企業が資産を買い取るなど紆余曲折を経て、現在は「フィスカー」と「カルマ」の2社に分裂しています。