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米自動車大手フォード、欧州向け乗用車をすべて電動化 2030年までに

フォードは17日、2030年までに欧州向けのすべての乗用車を電動化する計画を発表しました。2026年半ばまでには、欧州の全乗用車を「ゼロエミッション対応」にするとフォードは述べています。つまり、BEV(バッテリー式EV)とPHEV(プラグイン・ハイブリッド)のみを展開することになります。

今後8~9年は内燃機関を搭載したモデルを作り続けるようですが、この10年間でBEVとPHEVを拡大していきます。商用車もEVに移行すると予想されていますが、完全移行は乗用車に比べて少し遅れており、「ゼロエミッション対応」になるのは2024年までとされています。2030年までには商用車の3 分の2をBEVまたはBEVにするとのこと。

フォードの電動商用バン『eトランジット』

フォードは、10億ドルを投資してドイツのケルンにEV工場を建設する計画も示しています。同工場では、2023年から欧州市場向けに1車種目の乗用EVの生産を開始する予定で、続く2車種目も検討中とされています。

また、電動化移行の一部でフォルクスワーゲンとの協力も明らかにされています。両社は既に商用車の共同開発で合意しており、BEVおよびPHEVの生産・販売コストを削減することを目指しています。

現在、欧州フォードは電動クロスオーバーの『マスタング・マッハE』をはじめ、多くの電動モデルを展開しています。しかし、その大半はいわゆるマイルド・ハイブリッド車で、プラグイン充電には対応していません。

フォード『マスタング・マッハE』

ジャガー・ランドローバーは今週、ジャガーをEVブランドに切り替えることを含む新グローバル戦略を発表したばかりです。起亜自動車は2026年までに11台のEVを発売する計画で、トヨタは今年だけでも2台のBEVを発表する予定です。日産は2050年のカーボンニュートラル目標を明らかにし、GMは2040年を目指して電動化に取り組んでいます。

しかし、内燃機関はすぐになくなるわけではありません。EVの充電インフラは不十分で、しばらくの間はPHEVが主流となるでしょう。ほとんどの自動車メーカーは、すべてのモデルに電動化バージョンを導入する予定ですが、内燃機関モデルと並んで、いずれはEV(あるいはFCEV)に完全に置き換えられることになります。