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現行モデルより安い!新型シボレー「ボルトEUV」発表 期待の電動クロスオーバー

シボレーは、新型『ボルトEV』とその派生モデル『ボルトEUV』を発表。ボルトEUVは今回新たに追加されたクロスオーバーモデルで、比較的安価な価格設定でありながらGMが誇る先進運転支援システム「スーパークルーズ」を搭載するなど、気合の入った作りとなっています。しかし、残念ながら期待外れと言えるような一面も。

標準的なハッチバックのボルトEVとの大きな違いはサイズです。シボレーによると、ボルトEVに関する最も根強いフィードバックとして、後部座席にあと少しだけスペースが欲しいという要望があるとのこと。新型ボルトEUVはその声に応え、全長を161mm長くすることで、後部座席のレッグスペースが約75mm増えました。

新型シボレー『ボルトEUV』。右はハッチバックの『ボルトEV』

プラットフォームはボルトEVと同じですが、スタイリングはより存在感のあるものになっています。大型グリル、シーケンシャルウィンカー兼用のデイタイム・ランニングライト、LEDヘッドランプを標準装備。リアでは、ボルトEVよりも細い形状のLEDテールランプを採用。アルミホイールは17インチが標準となっています。

おそらく、ユーザーの間で最も懸念材料となると思われるのが全輪駆動の不在です。ボルトEUVはクロスオーバーでありながら、米国市場で期待される全輪駆動方式は設定されません。シボレーによると、その代わりにデザインと実用性に焦点を当てているとのこと。

新型シボレー『ボルトEUV』

そのため、駆動系はボルトEVと全く同じシステムを採用しています。最高出力200馬力(150kW)、最大トルク360Nmを発生するシングルモーターです。65kWhのバッテリーを搭載していますが、サイズと重量増の関係で航続距離は15kmほど少ない約400kmとされています。

120Vの電源を使用して、1時間あたりに充電できるのは約6km分。レベル2の240Vでフル充電まで約7時間かかります。DC急速充電器を使用すると、30分で約150km分の充電が可能です。

インテリアでは、10.2インチのセンタータッチスクリーン、8インチのデジタルメーターを搭載し、シフトは電子式のものを採用しています。ワンペダルの回生走行モードも用意されており、再始動後もこの設定を記憶しています。

新型シボレー『ボルトEUV』

ステアリングホイールは新デザインを採用したほか、パノラミック電動サンルーフ、リア・クロストラフィック・アラート、360度カメラ、アダプティブ・クルーズ・コントロールを装備。シボレー・セーフティ・アシスト(自動緊急ブレーキ、前方衝突警報、発進警報付きレーンキープアシスト、前方歩行者ブレーキ)も標準装備されています。

GMの先進運転支援システム、スーパークルーズについても触れておくべきでしょう。スーパークルーズが搭載(オプション)されるのは、シボレーでは新型ボルトEUVが初。カメラを使用して周囲の状況を監視するハンズフリーの半自動運転機能ですが、キャデラック『エスカレード』に搭載されているような最新のエンハンスド・スーパークルーズではありません。プラットフォームがこの機能に対応していないからです。つまり、自動車線変更システムは非搭載で、将来的にも導入されることはありません。

従来のプラットフォームをキャリーオーバーすることで、機能に制限はあるものの、価格を抑えることには成功しています。米国ではベースモデルが33,995ドル(356万円)からで、これは現行モデル(2021年モデル)のボルトEVよりも約30万円安い設定です。上位モデルは43,495ドル(456万円)からとなっています。

発売は2021年夏を予定しています。