北米ホンダ、「タイプR」のレーシングエンジンを一般販売 2.0L直4ターボ搭載

北米のホンダ パフォーマンス ディベロップメント(HPD)は、これまで『シビック タイプR』のクレートエンジンをレーシングチームなどに限定して販売してきました。しかし、2月10日、HPDは一般のユーザーにもタイプRクレートエンジンの販売を限定的に開始すると発表しました。

クレートエンジンとは、購入してすぐにクルマに取り付けられるエンジンのことで、一般的に補器類なども付属するパッケージとして販売されています。今回、一般販売が開始される『K20C1』エンジンは、HPDのレーシングカーの定番ユニットとして、『タイプR TC』や『タイプR TCR』、F4 U.S. チャンピオンシップやFRアメリカズ・チャンピオンシップなどで活躍してきました。

HPD『K20C1』

HPDのコマーシャル・モータースポーツ担当マネージャー、ジョン・ホワイトマン氏は、次のように述べています。

「HPDは、ホンダのパワーを手頃な価格かつ汎用性の高いパッケージで提供できることを誇りに思う。わたし達の『K20C1』エンジンは、クラブやプロのシリーズで多くの勝利を支えており、現在では幅広い用途で利用可能だ」

とはいうものの、シビック タイプRのK20C1エンジンは93台の限定販売であり、決して安くはありません。価格は、スターターモーター、ターボチャージャー、オルタネーターを含む”ロングブロックエンジン”で約6,790ドル(71万円)から。2,210ドル(23万円)を追加で払えば、エンジンスワップハーネス、アクセルペダル、およびチューニングされたECUが付属します。

HPD『K20C1』

クレートエンジンに100万円近い金額を費やして、それで終わりではありません。ハードコアなタイプR仕様に合わせて、エアインテーク、インタークーラー、冷却システム、燃料供給、トランスミッションなど、他の部品にもお金をかけなければなりません。

ありがたいことに、K20C1にはインストールマニュアルとコントロールパッケージが付属しており、新品のエンジンを最大限に活用するための詳細な情報を提供してくれます。

「あらゆる年齢層やモータースポーツカテゴリーのホンダファンのために、わたし達の最高の専門知識を活用したい」とホワイトマン氏。

ただし、残念ながらこのエンジンは公道での使用は認められておらず、モータースポーツ専用となっています。シビック タイプRの2.0L直列4気筒ターボは306馬力、400Nmのトルクを発揮する強力なエンジンであることを考えると、少し悲しいですね。0-97km/h加速で5.4秒を達成するのに十分なパワーと、ホンダならではの信頼性の高さも特徴です。

北米では5月1日に発売予定ですが、日本など海外から購入できるかどうかは今のとこ明らかになっていません。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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